投手分業制が進む近年、年を重ねていくごとにその重要度を増していくリリーフ投手たち。日本一へと登り詰めたソフトバンクは12球団トップの救援防御率2.40を誇り、惜しくも日本シリーズでソフトバンクの前に屈した阪神も、安定感抜群のリリーフ陣の活躍で鬼門であったクライマックスシリーズを突破した。
今年生まれたリリーフ投手の大きな記録といえば、中日の守護神・岩瀬仁紀が達成した通算400セーブ。歴代2位の高津臣吾が282(※日米通算だと313)、3位の大魔神こと佐々木主浩が252(※日米通算だと381)であることを考えると、そのスゴさはさらに際立つ。また、11年連続20セーブもクリアし、自らが持つ日本記録を更新。最強の守護神がまた新たな金字塔を打ち立てた。
しかし、例年以上に苦しむ場面も多く見られたのも事実。左ヒジの痛みと闘いながらのシーズンとなった今季は34試合の登板に留まり、1999年のデビュー以来続けていた連続50試合登板の記録が15年で途切れた。キャリア16年間で2度目となる防御率3点台を記録し、また3.52はキャリア最悪の数字となってしまった。来年40歳を迎える鉄腕は、再び輝きを取り戻せるだろうか。
また、新時代の鉄腕サウスポーといえば、巨人の山口鉄也の名前も挙げられる。育成から這い上がった左腕は、6月に通算200ホールドを達成。これはプロ野球史上初の快挙であり、なかなか脚光を浴びることが少なかった『ホールド』という記録に光を当てた。それだけに留まらず、9月には7年連続60試合登板という記録も達成。シーズン60試合登板以上を記録した回数でも7度となり、稲尾和久氏や秋山登氏を抜いてプロ野球史上単独トップとなっている。
ただし、シーズン中から不安を抱えていた左ヒジの具合が芳しくなく、手術を回避して治療に当たっている。本人は契約更改の際に順調ぶりを報告し、「来季も60試合登板を続けたい」と語ったが、果たして。
最後に、今年を振り返る上で触れておきたい珍記録は、“1球勝利”の多さである。今年は1シーズンで史上最多となる4名が1球勝利を飾り、巨人の土田瑞起はプロ初勝利、楽天のルーキーである横山貴明に至っては初登板初勝利が1球勝利となった。
さらに投球数は4球であったものの、もっと珍しい“対戦打者0人”での勝利を挙げたのがヤクルトの久古健太郎。5月3日の阪神戦、1-1の同点で迎えた8回二死一塁の場面で牽制球を送ると、一塁走者の大和が飛び出し、二塁手前でアウト(記録は盗塁死)。その裏にチームが勝ち越したため、勝利投手となった。対戦打者0人での白星は、2000年のロッテ・小林雅英以来史上2人目。セ・リーグでは初の珍記録となった。
【リリーフ投手たちが今年達成した主な記録】
・菊地和正(DeNA)が1球敗戦 → 4月4日vs広島、史上26人目
・西村健太朗(巨人)が1球セーブ → 4月9日vs広島、史上56人目
・久古健太郎(ヤクルト)が対戦打者0人で勝利 → 5月3日vs阪神、史上2人目
・福原忍(阪神)が通算1000奪三振 → 5月4日vsヤクルト、史上137人目
・安藤優也(阪神)が通算1000投球回 → 5月13日vs広島、史上339人目
・サファテ(ソフトバンク)が12球団セーブ → 5月20日vs広島、史上3人目
・山口鉄也(巨人)が通算200ホールド → 6月6日vs西武、史上初
・土田瑞起(巨人)が1球勝利でプロ初勝利 → 6月15日vs楽天、史上5人目
・林昌範(DeNA)が12球団勝利 → 6月21日vs西武、史上17人目
・宮西尚生(日本ハム)が通算150ホールド → 6月29日vs楽天、史上3人目
・金田和之(阪神)が1球勝利 → 7月22日vs巨人、史上36人目
・岩瀬仁紀(中日)が通算400セーブ → 7月26日vs巨人、史上初
・岩瀬仁紀(中日)が11年連続20セーブ → 7月31日vs広島、史上初
・五十嵐亮太(ソフトバンク)がデビューから601試合連続リリーフ登板 → 8月8日vs西武、日本新記録
・サファテ(ソフトバンク)が両リーグで30セーブを達成 → 8月12日vs楽天、史上初
・横山貴明(楽天)がプロ初登板で1球勝利 → 8月30日vsソフトバンク、史上初
・益田直也(ロッテ)が1球勝利 → 9月9日vs西武、史上38人目
・山口鉄也(巨人)が7年連続60試合登板 → 9月26日vsDeNA、史上初
今年生まれたリリーフ投手の大きな記録といえば、中日の守護神・岩瀬仁紀が達成した通算400セーブ。歴代2位の高津臣吾が282(※日米通算だと313)、3位の大魔神こと佐々木主浩が252(※日米通算だと381)であることを考えると、そのスゴさはさらに際立つ。また、11年連続20セーブもクリアし、自らが持つ日本記録を更新。最強の守護神がまた新たな金字塔を打ち立てた。
しかし、例年以上に苦しむ場面も多く見られたのも事実。左ヒジの痛みと闘いながらのシーズンとなった今季は34試合の登板に留まり、1999年のデビュー以来続けていた連続50試合登板の記録が15年で途切れた。キャリア16年間で2度目となる防御率3点台を記録し、また3.52はキャリア最悪の数字となってしまった。来年40歳を迎える鉄腕は、再び輝きを取り戻せるだろうか。
また、新時代の鉄腕サウスポーといえば、巨人の山口鉄也の名前も挙げられる。育成から這い上がった左腕は、6月に通算200ホールドを達成。これはプロ野球史上初の快挙であり、なかなか脚光を浴びることが少なかった『ホールド』という記録に光を当てた。それだけに留まらず、9月には7年連続60試合登板という記録も達成。シーズン60試合登板以上を記録した回数でも7度となり、稲尾和久氏や秋山登氏を抜いてプロ野球史上単独トップとなっている。
ただし、シーズン中から不安を抱えていた左ヒジの具合が芳しくなく、手術を回避して治療に当たっている。本人は契約更改の際に順調ぶりを報告し、「来季も60試合登板を続けたい」と語ったが、果たして。
最後に、今年を振り返る上で触れておきたい珍記録は、“1球勝利”の多さである。今年は1シーズンで史上最多となる4名が1球勝利を飾り、巨人の土田瑞起はプロ初勝利、楽天のルーキーである横山貴明に至っては初登板初勝利が1球勝利となった。
さらに投球数は4球であったものの、もっと珍しい“対戦打者0人”での勝利を挙げたのがヤクルトの久古健太郎。5月3日の阪神戦、1-1の同点で迎えた8回二死一塁の場面で牽制球を送ると、一塁走者の大和が飛び出し、二塁手前でアウト(記録は盗塁死)。その裏にチームが勝ち越したため、勝利投手となった。対戦打者0人での白星は、2000年のロッテ・小林雅英以来史上2人目。セ・リーグでは初の珍記録となった。
【リリーフ投手たちが今年達成した主な記録】
・菊地和正(DeNA)が1球敗戦 → 4月4日vs広島、史上26人目
・西村健太朗(巨人)が1球セーブ → 4月9日vs広島、史上56人目
・久古健太郎(ヤクルト)が対戦打者0人で勝利 → 5月3日vs阪神、史上2人目
・福原忍(阪神)が通算1000奪三振 → 5月4日vsヤクルト、史上137人目
・安藤優也(阪神)が通算1000投球回 → 5月13日vs広島、史上339人目
・サファテ(ソフトバンク)が12球団セーブ → 5月20日vs広島、史上3人目
・山口鉄也(巨人)が通算200ホールド → 6月6日vs西武、史上初
・土田瑞起(巨人)が1球勝利でプロ初勝利 → 6月15日vs楽天、史上5人目
・林昌範(DeNA)が12球団勝利 → 6月21日vs西武、史上17人目
・宮西尚生(日本ハム)が通算150ホールド → 6月29日vs楽天、史上3人目
・金田和之(阪神)が1球勝利 → 7月22日vs巨人、史上36人目
・岩瀬仁紀(中日)が通算400セーブ → 7月26日vs巨人、史上初
・岩瀬仁紀(中日)が11年連続20セーブ → 7月31日vs広島、史上初
・五十嵐亮太(ソフトバンク)がデビューから601試合連続リリーフ登板 → 8月8日vs西武、日本新記録
・サファテ(ソフトバンク)が両リーグで30セーブを達成 → 8月12日vs楽天、史上初
・横山貴明(楽天)がプロ初登板で1球勝利 → 8月30日vsソフトバンク、史上初
・益田直也(ロッテ)が1球勝利 → 9月9日vs西武、史上38人目
・山口鉄也(巨人)が7年連続60試合登板 → 9月26日vsDeNA、史上初