3月27日の開幕まで1カ月を切ったプロ野球。昨シーズン5位に沈んだ西武は野手陣の充実ぶりが際立っており、強力な打線が完成しつつある。

　南郷キャンプ中、田辺監督はことあるごとに「毎日が競争。若手にポジションを掴みとってほしい」と言い続けてきた。中でも昨シーズン固定できなかったショートとライトを巡る競争は激しく、連日のアピール合戦が続いた。

　ショートでは3年目の金子侑が頭ひとつリード。キャンプ序盤はセカンドメインで調整を進めてきたが、チーム方針もありここへ来てショートでの起用が続いている。2月下旬の対外試合では2試合連続ホームランを放ちパンチ力をアピール。しかも、1戦目の斗山（韓国）戦は右打席、続く楽天戦は左打席。これには指揮官も「もともと思いっきりいいバッター。自分のフォームで打てている」と目を細めた。

　今後はベテランの渡辺や鬼崎。さらにケガでB班調整中の新助っ人・セラテリらの起用も増えると予想されるが、両打ちで足も使えるのが金子侑の魅力。守備面での不安はあるものの、このままの状態を維持できれば開幕スタメンに名を連ねそうだ。

　ライトの定位置争いも激しい。打者転向4年目の木村、高卒8年目の梅田と6年目の石川。さらに、昨季はケガでシーズンを棒に振り、背番号『88』で再起を図る坂田も対外試合で結果を残している。「もともと力のある選手だし、ケガがなければレギュラーに入った時期もある」とは指揮官の坂田評。復調の兆しを見せる左の中距離砲が下位打線にハマれば、ソフトバンク、オリックスにも引けをとらない強力打線が完成する。

　昨年10月、ともに右ひじの遊離軟骨除去手術を行った中村と秋山の経過も順調。同じく11月に左肩を手術し南郷キャンプでは一部別メニューだった浅村も、3月上旬の完全復帰に向けしっかりと階段を昇っている。

　改めて今季のオーダーを予想してみると、ワクワクする顔ぶれが並ぶ（下記参照）。田辺監督は早くから栗山を2番で起用する方針を示しており、中軸には浅村、中村、メヒアのタイトルホルダーがどっしりと座る。また、手術で不安を取り除いた中村は守備でも安定したスローイングを披露しており、指名打者の使い方にも幅が持てそうだ。

　ディフェンス面に不安を残すが、豪快な野球に期待が持てそうな今年の西武。開幕ダッシュに失敗した昨年の反省を活かし、今年はベストな布陣で最高のスタートを切りたい。

＜2015年：西武の予想オーダー＞

1番（中）秋山
2番（左）栗山
3番（二）浅村
4番（指）中村
5番（一）メヒア
6番（右）坂田or木村
7番（三）セラテリor山川
8番（捕）炭谷or森
9番（遊）金子侑or渡辺