ニュース 2015.04.11. 08:00

“飛ばない”時代に逆戻り?激減した本塁打、昨年比約60本のマイナス

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日本を代表する主砲に育った中田翔は09年のMVP ©BASEBALLKING
 10日で開幕からちょうど2週間が経ったプロ野球の2015年シーズン。徐々に好不調の差も現れてきたところであるが、今年の傾向として気になることがある。“野球の華”である本塁打のシーンが少ないことだ。

 それを象徴していたのが4月8日。この日はセ・パ合わせて6試合が問題なく行われたのにも関わらず、記録された本塁打は巨人・片岡治大による1本のみ。実に静かな一日であった。

 球団ごとで見てみても、その傾向は顕著。昨シーズン年間153本塁打を記録し、リーグトップのチーム本塁打数を誇っていた広島は、今シーズンここまでのチーム本塁打がわずかに2本。それも菊池涼介が1人で放ったものであり、本塁打キングのエルドレッドが負傷離脱していることを差し引いても少ないと言い切れる。

 広島のみならず、中日もチーム本塁打の3本は福田永将が1人で記録しているものであり、巨人の5本も2本の片岡と3本の亀井善行という2人でまかなっているものである。

 今シーズン、2週間で71試合が行われたプロ野球。ここまでで飛び出した本塁打の数を集計してみると、セ・リーグが29本、パ・リーグが35本の計64本。1試合に1本も出ていないという計算になる。

 昨シーズンの同じ時点での数字と比較してみると、セ・リーグだけで今年の両リーグ合計を超える66本を記録。パも51本で合計117本。ここまでの時点で今年と去年では50本ものギャップがある。

 また、本塁打がこれだけ減れば当然得点も減少する。先日、楽天-ソフトバンクのカードで2試合連続0-0のまま延長突入という珍事があったが、ここまでのセ・パ両リーグ合わせた総得点は473点。昨年のこの時点での総得点は639点であったことから、166点の減ということになる。

 前述の通り広島のエルドレッドやオリックスのブランコ、ヤクルトのバレンティンといったアーチストが相次いでケガに見舞われたのをはじめ、昨年45試合で12発をかっ飛ばしたロッテのデスパイネはキューバ国内リーグの事情から来日遅れ、昨年のパのキングである西武のメヒアもいまひとつエンジンがかからないといった助っ人に関するアクシデントの多さはあるが、それにしてもこの投高打低ぶりは少し心配になってしまうほどだ。

 緊迫した投手戦が増えた一方、球場で野球を見る醍醐味のひとつ『本塁打』が減っているという現状はやはり寂しい。残りの130試合あまりで打者陣の逆襲はあるか、注目したい。

【開幕から2週間時点での比較】
・2015年=71試合(中止3)
 本塁打:64 / 得点:473

・2014年=73試合(中止4)
 本塁打:117 / 得点:639

・2013年=74試合(中止5)
 本塁打:100 / 得点:535

・2012年=69試合(中止5)
 本塁打:50 / 得点:382

・2011年=71試合(中止1)※4月12日に開幕
 本塁打:98 / 得点:526

・2010年=54試合(中止1)※当時はセ・パ別開幕
 本塁打:97本 / 得点:504
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