現在パ・リーグ首位を走る西武。14日の日本ハム戦では大谷翔平を前に敗れ、連勝は2で止まったものの、積み上げた貯金は「8」。戦前の予想を覆す健闘を見せている。
なにしろ今年も補強面で大きな上積みがなかったチーム。獲得間近かと報道されていた小谷野栄一を逃し、日本球界復帰の中島裕之もオリックスへ。強いて言えば本塁王のエルネスト・メヒアと正捕手・炭谷銀仁朗の“残留”くらいのものであった。
さらに開幕を前にエースの岸孝之が離脱。左腕の菊池雄星も左肘の炎症による調整遅れで開幕は二軍スタート。メヒアも体重オーバーが不安視されるなど、むしろマイナス要素の方が多いというほど。
そんな中で幕を開けた2015年シーズン、西武はいかにして現在のポジションを築き上げたのだろうか。その要因として考えられるものをいくつかピックアップした。
● 野手の主力が揃っている!
投手では離脱者が目立ったものの、野手は戦力が揃ったことでオーダーがほぼほぼ固定できているのが特徴的。5月3日の試合では主砲・中村剛也に休養が与えられたため、全試合ではなくなったものの、その1試合を除く36試合は全く同じ1番~6番で戦っている。
昨年の同じ時期のスタメンを見てみると、今とのギャップがよく分かる。
・5月15日vs日本ハム
(中)森本
(三)大崎
(左)栗山
(一)中村
(指)メヒア
(二)浅村
(右)木村
(捕)炭谷
(遊)永江
ちなみに、ちょうど1年前のこの日がメヒアの来日初出場だった。本職外野の大崎雄太朗が三塁で出場しているあたりからもその苦しさは垣間見ることができる。この時は秋山翔吾が極度の不振に陥って離脱、新外国人のランサムも期待を裏切り、中村も故障明けということもあって1カ月遅れでの開幕などなど、まさしく緊急事態だった。
それが今年は開幕から中村は万全、秋山は絶好調でパのリーディングヒッター争いを独走、そしてこの時期はまだ“金の卵”だった森も大暴れと野手がしっかり揃っていること、そしてその中に良い意味で期待を裏切る選手がいることが現在の好調の大きな要因となっている。
● 勝ちパターンの確立
チームにとって近年の大きな課題であったリリーフ陣。今年はそれが開幕からピタリとハマっている。8回は3年目の増田達至。ここまで18試合に登板し、リーグ2位の13ホールド。1イニングあたりに何人の走者を出したかを表すWHIPは0.87で、リーグのリリーバーではソフトバンクのサファテ(0.86)に次ぐ2番目の数字を残している。
そして9回は高橋朋己。昨シーズン飛躍を遂げ、侍ジャパン入りを果たした左腕は、開幕から4戦連続セーブのプロ野球記録を樹立するなど今年も健在。リーグで唯一2ケタに乗せる12セーブをマークし、防御率は1.13。守護神不在に苦しんでいたチームを救っている。
この2人以外にも、危なっかしい場面はありながらも13試合で防御率1.65を記録する新助っ人のエスメルリング・バスケスや、岡本篤志、貴重な中継ぎ左腕として活躍する武隈祥太など、ブルペン陣の安定は近年なかった大きな武器になっている。
● “アレルギー”の克服
14年は上位3チームを相手にことごとく苦しめられた西武。それが今シーズンは改善の兆しを見せている。
ソフトバンク、オリックス、日本ハムの対戦成績の合計が、14年は27勝41敗4分と実に14もの負け越しを作っていたのに対し、今年はここまでで12勝8敗1分。4つの勝ち越しを作っている。
特に近年は福岡で分が悪く、対ソフトバンクのロードゲームを振り返ってみると、昨年が4勝7敗1分、13年に至っては2勝9敗1分と大きく負け越し、まさに鬼門となっていた。ところが、今シーズン最初の福岡シリーズとなった4月24日~26日の3連戦で2勝1分。福岡での3連戦を負け無しで乗り切ったのは、3試合連続で引き分けた08年8月以来、実に7年ぶりのことだった。
残すは、26日から始まる交流戦。10年には2位になったこともあったが、通算では128勝132敗4分と4つの負け越し。パでは5番目の成績と他チームの躍進が目立つ中ではやや苦手としている。ここも乗り越えた時、7年ぶりの歓喜は大きく近づいていることだろう。
パ・リーグをかき回す“台風の目”――。快進撃を見せる西武に注目だ。
なにしろ今年も補強面で大きな上積みがなかったチーム。獲得間近かと報道されていた小谷野栄一を逃し、日本球界復帰の中島裕之もオリックスへ。強いて言えば本塁王のエルネスト・メヒアと正捕手・炭谷銀仁朗の“残留”くらいのものであった。
さらに開幕を前にエースの岸孝之が離脱。左腕の菊池雄星も左肘の炎症による調整遅れで開幕は二軍スタート。メヒアも体重オーバーが不安視されるなど、むしろマイナス要素の方が多いというほど。
そんな中で幕を開けた2015年シーズン、西武はいかにして現在のポジションを築き上げたのだろうか。その要因として考えられるものをいくつかピックアップした。
● 野手の主力が揃っている!
投手では離脱者が目立ったものの、野手は戦力が揃ったことでオーダーがほぼほぼ固定できているのが特徴的。5月3日の試合では主砲・中村剛也に休養が与えられたため、全試合ではなくなったものの、その1試合を除く36試合は全く同じ1番~6番で戦っている。
昨年の同じ時期のスタメンを見てみると、今とのギャップがよく分かる。
・5月15日vs日本ハム
(中)森本
(三)大崎
(左)栗山
(一)中村
(指)メヒア
(二)浅村
(右)木村
(捕)炭谷
(遊)永江
ちなみに、ちょうど1年前のこの日がメヒアの来日初出場だった。本職外野の大崎雄太朗が三塁で出場しているあたりからもその苦しさは垣間見ることができる。この時は秋山翔吾が極度の不振に陥って離脱、新外国人のランサムも期待を裏切り、中村も故障明けということもあって1カ月遅れでの開幕などなど、まさしく緊急事態だった。
それが今年は開幕から中村は万全、秋山は絶好調でパのリーディングヒッター争いを独走、そしてこの時期はまだ“金の卵”だった森も大暴れと野手がしっかり揃っていること、そしてその中に良い意味で期待を裏切る選手がいることが現在の好調の大きな要因となっている。
● 勝ちパターンの確立
チームにとって近年の大きな課題であったリリーフ陣。今年はそれが開幕からピタリとハマっている。8回は3年目の増田達至。ここまで18試合に登板し、リーグ2位の13ホールド。1イニングあたりに何人の走者を出したかを表すWHIPは0.87で、リーグのリリーバーではソフトバンクのサファテ(0.86)に次ぐ2番目の数字を残している。
そして9回は高橋朋己。昨シーズン飛躍を遂げ、侍ジャパン入りを果たした左腕は、開幕から4戦連続セーブのプロ野球記録を樹立するなど今年も健在。リーグで唯一2ケタに乗せる12セーブをマークし、防御率は1.13。守護神不在に苦しんでいたチームを救っている。
この2人以外にも、危なっかしい場面はありながらも13試合で防御率1.65を記録する新助っ人のエスメルリング・バスケスや、岡本篤志、貴重な中継ぎ左腕として活躍する武隈祥太など、ブルペン陣の安定は近年なかった大きな武器になっている。
● “アレルギー”の克服
14年は上位3チームを相手にことごとく苦しめられた西武。それが今シーズンは改善の兆しを見せている。
ソフトバンク、オリックス、日本ハムの対戦成績の合計が、14年は27勝41敗4分と実に14もの負け越しを作っていたのに対し、今年はここまでで12勝8敗1分。4つの勝ち越しを作っている。
特に近年は福岡で分が悪く、対ソフトバンクのロードゲームを振り返ってみると、昨年が4勝7敗1分、13年に至っては2勝9敗1分と大きく負け越し、まさに鬼門となっていた。ところが、今シーズン最初の福岡シリーズとなった4月24日~26日の3連戦で2勝1分。福岡での3連戦を負け無しで乗り切ったのは、3試合連続で引き分けた08年8月以来、実に7年ぶりのことだった。
残すは、26日から始まる交流戦。10年には2位になったこともあったが、通算では128勝132敗4分と4つの負け越し。パでは5番目の成績と他チームの躍進が目立つ中ではやや苦手としている。ここも乗り越えた時、7年ぶりの歓喜は大きく近づいていることだろう。
パ・リーグをかき回す“台風の目”――。快進撃を見せる西武に注目だ。