ニュース 2015.05.21. 11:30

絶好調!ロッテ・清田は8時半“まで”の男?

 ロッテの新1番・清田育宏が止まらない。

 20日の西武戦では自身初となる初回先頭打者本塁打を含む4安打2本塁打で2打点の大暴れ。7試合連続マルチ安打を記録し、うち3安打が3回、4安打も2回とまさに“打ち出の小槌”状態。チームを牽引している。

 清田の爆発が始まったのは、3試合ぶりに1番に復帰した5月9日の西武戦から。それまでは打率.250(72-18)、2本塁打、5打点という成績だったのが、その後の7試合では驚異の打率.636(33-21)、4本塁打、11打点。

 打率は一気に.371まで上昇し、規定打席には届いていないとはいえ、現在パのリーディングヒッターである秋山翔吾の.353を超えた。

 そんな絶好調男において特徴的なのは、試合の序盤で固め打ちを見せること。特に顕著なのは、6回までと7回以降の差だ。

 6回までの成績を見てみると、打率.471(70-33)で5本塁打と当たっているのに対し、7回以降の打席では打率.176(34-6)、1本塁打と途端に数字が落ちる。

 打席別で見ても、第1打席で.556(27-15)、第2打席では.375(24-9)と当たっているが、第4打席では.300(20-6)、第4打席は.200(10-2)と試合終盤になると徐々に成績が下がってくることが如実に現れているのだ。

 かつて野球界ではだいたいその時間になると登場し、チームを勝利へ導いたことから“8時半の男”と呼ばれた選手がいた。巨人で活躍した故・宮田征典氏だ。

 リリーフ専門投手の先駆け的な存在として知られる宮田氏は、65年にほぼリリーフ登板で20勝を挙げるなど勝利への使者としてフル回転。V9の一歩目となる優勝をもたらした。

 宮田氏が“8時半の男”ならば、試合序盤から中盤までを主な舞台としている清田は8時半“まで”の男、か。

 試合後、伊東監督に「動かせないよね」と言わしめ、1番の座をその手に収めつつある29歳。好不調の波が激しく、一軍と二軍を行ったり来たりしていた悔しいシーズンを経て6年目、ついに開花の気配が漂う。

 ちなみに、連続マルチ安打の最高記録は、52年の阪神・後藤次男氏、54年の毎日(現ロッテ)チャーリー・ルイス、そして01年に当時・日本ハムの小笠原道大が記録した10試合連続。

 まずは今日の試合で8試合連続に伸ばし、球団の“レジェンド”有藤通世氏と日本が誇る世界の安打製造機・イチローと肩を並べたいところだ。

 彗星のごとく出現したニューヒーローが、なかなか浮上のキッカケを掴めないチームの起爆剤となるか――。ロッテを引っ張る“8時半までの男”から目が離せない。

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