セ・リーグ最下位に沈むヤクルトが、緊急補強のための視察を行ったことで注目を浴びている“ルートインBCリーグ”。
信濃、富山、石川、福井、群馬、新潟の6チームに、今シーズンから福島県の福島ホープスと埼玉県の武蔵ヒートベアーズが新加入。合計8チームが『ADVANCE-West』と『FUTURE-East』の2地区に分かれて覇権を争っている。
ニュースで取り上げられることは少なく、なかなか馴染みの薄いリーグではあるのだが、選手の名前を見てみると、思わず「おっ」と声を上げてしまうような名前も目につく。
例えば、今シーズンから石川の選手兼任監督に電撃就任したフリオ・フランコがその一人。元はバリバリのメジャーリーガーであり、日本でもロッテで主将を務めるなど、球団のレジェンド的存在として今なお人気を博す選手である。
今年で57歳(公称)を迎えるフランコは、中日の山本昌を超える“球界最年長選手”としても話題になり、3月に開業した北陸新幹線に乗りがてら石川に「代打・オレ」を見に行こうというオールドファンも少なくなかった。
ところが、今シーズンの成績を見てみると、19試合中12試合に出場。それも1打席限定には留まらず、39打数14安打の打率.359で9打点という大活躍を見せている。
一概に比較はできないものの、昨シーズンまで日本ハムでプレーし、今シーズンからは福島で選手兼コーチとして活躍している村田和哉が36打数12安打の打率.333。現時点では、フランコは56歳にして昨年までNPBでプレーしていた選手よりも良い数字を残しているのだ。
また、もう一人新任の選手兼監督として開幕前のBCリーグを盛り上げたのが、元ヤクルトの岩村明憲だ。
かつてのメジャーリーガーも、日本球界復帰後は苦しい時期を過ごし、昨シーズン限りでヤクルトから戦力外通告を受ける。現役続行を望み、最後まで戦った男が選んだ道はBCリーグだった。
新規参入球団の初代監督兼選手としての大役を背負った岩村は、ここまで5試合の出場で11打数6安打、打率.545と活躍。生まれたてのチームを牽引している。
さらにその福島で好調なのが、貴規。ヤクルトに所属する由規の弟である。
ヤクルトでは育成選手として入団し、支配下を目指して奮闘するもその夢は叶わず。昨シーズン限りで戦力外通告を受けていた。
一時は「野球を辞めようと思った」とまで語っていた男は、トライアウトを経て福島へ入団。すると今シーズンここまで18試合の出場で打率はリーグ2位の.405。本塁打も2本放ち、13打点とチームの主力として活躍中。
ちなみに、ヤクルトが調査中と噂のミッチ・デニングは、ここまで18試合で打率.270(74-20)、1本塁打で14打点。こちらも一概に比較はできないが、貴規の方が同じ打数で10本も安打が多い。
また、こちらもトライアウトからの入団で話題を集めた選手といえば、新潟の桑田真樹も忘れてはならない。元巨人のエースとして活躍した桑田真澄氏の息子である。
ここまでは8試合で打率.091(11-1)とプロの壁に苦しんでいるが、そこはまだ22歳の大卒ルーキー。入団会見で「独立リーグで終わるつもりはない」と語った通り、NPBを目指す挑戦は始まったばかりだ。
今やオリックスで欠かせない存在となっているフランシスコ・カラバイヨなどの成功例により、今一度注目を集めているBCリーグ。実力でNPBの世界への扉をこじ開け、のし上がっていく選手の出現に大いに期待したい。
【紹介した選手たちの成績】
フリオ・フランコ(石川)
率.359(39-14) 本0 点9
岩村明憲(福島)
率.545(11-6) 本0 点6
貴規(福島)
率.405(74-30) 本2 点13
桑田真樹(新潟)
率.091(11-1) 本0 点0
信濃、富山、石川、福井、群馬、新潟の6チームに、今シーズンから福島県の福島ホープスと埼玉県の武蔵ヒートベアーズが新加入。合計8チームが『ADVANCE-West』と『FUTURE-East』の2地区に分かれて覇権を争っている。
ニュースで取り上げられることは少なく、なかなか馴染みの薄いリーグではあるのだが、選手の名前を見てみると、思わず「おっ」と声を上げてしまうような名前も目につく。
例えば、今シーズンから石川の選手兼任監督に電撃就任したフリオ・フランコがその一人。元はバリバリのメジャーリーガーであり、日本でもロッテで主将を務めるなど、球団のレジェンド的存在として今なお人気を博す選手である。
今年で57歳(公称)を迎えるフランコは、中日の山本昌を超える“球界最年長選手”としても話題になり、3月に開業した北陸新幹線に乗りがてら石川に「代打・オレ」を見に行こうというオールドファンも少なくなかった。
ところが、今シーズンの成績を見てみると、19試合中12試合に出場。それも1打席限定には留まらず、39打数14安打の打率.359で9打点という大活躍を見せている。
一概に比較はできないものの、昨シーズンまで日本ハムでプレーし、今シーズンからは福島で選手兼コーチとして活躍している村田和哉が36打数12安打の打率.333。現時点では、フランコは56歳にして昨年までNPBでプレーしていた選手よりも良い数字を残しているのだ。
また、もう一人新任の選手兼監督として開幕前のBCリーグを盛り上げたのが、元ヤクルトの岩村明憲だ。
かつてのメジャーリーガーも、日本球界復帰後は苦しい時期を過ごし、昨シーズン限りでヤクルトから戦力外通告を受ける。現役続行を望み、最後まで戦った男が選んだ道はBCリーグだった。
新規参入球団の初代監督兼選手としての大役を背負った岩村は、ここまで5試合の出場で11打数6安打、打率.545と活躍。生まれたてのチームを牽引している。
さらにその福島で好調なのが、貴規。ヤクルトに所属する由規の弟である。
ヤクルトでは育成選手として入団し、支配下を目指して奮闘するもその夢は叶わず。昨シーズン限りで戦力外通告を受けていた。
一時は「野球を辞めようと思った」とまで語っていた男は、トライアウトを経て福島へ入団。すると今シーズンここまで18試合の出場で打率はリーグ2位の.405。本塁打も2本放ち、13打点とチームの主力として活躍中。
ちなみに、ヤクルトが調査中と噂のミッチ・デニングは、ここまで18試合で打率.270(74-20)、1本塁打で14打点。こちらも一概に比較はできないが、貴規の方が同じ打数で10本も安打が多い。
また、こちらもトライアウトからの入団で話題を集めた選手といえば、新潟の桑田真樹も忘れてはならない。元巨人のエースとして活躍した桑田真澄氏の息子である。
ここまでは8試合で打率.091(11-1)とプロの壁に苦しんでいるが、そこはまだ22歳の大卒ルーキー。入団会見で「独立リーグで終わるつもりはない」と語った通り、NPBを目指す挑戦は始まったばかりだ。
今やオリックスで欠かせない存在となっているフランシスコ・カラバイヨなどの成功例により、今一度注目を集めているBCリーグ。実力でNPBの世界への扉をこじ開け、のし上がっていく選手の出現に大いに期待したい。
【紹介した選手たちの成績】
フリオ・フランコ(石川)
率.359(39-14) 本0 点9
岩村明憲(福島)
率.545(11-6) 本0 点6
貴規(福島)
率.405(74-30) 本2 点13
桑田真樹(新潟)
率.091(11-1) 本0 点0