オールスターゲームも終え、プロ野球はいよいよ夏場の苦しい時期に差し掛かってきた。各チームここまで思い通りに行った部分も行かなかった部分も多々あったであろうが、中でも気になるのがエース投手たちの不調だ。
西武の岸孝之やオリックスの金子千尋といったあたりは故障で開幕に間に合わず、その他にも則本やメッセンジャー、菅野、前田健太、山井といったタイトルを獲得するような一流投手たちが思うように勝ち星を伸ばせずにいる。数字を見てエースらしい圧倒的な投球を続けていると言えるのは日本ハムの3年目・大谷翔平くらいだ。
そんな中、大黒柱の苦戦を補って余りある活躍を見せて救世主となっている選手もいる。たとえば、ソフトバンクの武田翔太がその一人だ。
ソフトバンクは近年エースとして君臨してきた摂津がまさかの不調で二軍落ち。シーズン中にミニキャンプを敢行するまでに落ち込んでしまった。そんな緊急事態に立ち上がった4年目の右腕は、6月には自身初となる月間MVPを獲得。ここまでの時点で自己最多を更新する9勝をマークし、スタンリッジと共に首位を走るチームをけん引している。
また、意外な救世主として世間を賑わせているのがヤクルトの山中浩史。背番号は「68」、プロ3年目ながら今年で30歳を迎える苦労人のアンダーハンドだ。
2年目の2014年にまさかのトレード宣告。ヤクルトへ入団した右腕は、移籍後も9試合の登板で0勝0敗、防御率6.75と良い印象は残せずに移籍初年度を終えていた。
ところが今年は6月12日の西武戦で今季初登板・初勝利をマークすると、8月2日の阪神戦まで無傷の5連勝。開幕から5戦5勝というのは、球団ではあの400勝投手・金田正一以来という快挙だった。
ライアン小川泰弘やベテランの石川雅規、FAで新加入の成瀬善久といった期待の投手たちが揃って伸び悩む中、わずか2カ月足らずで5勝を積み上げたアンダーハンド右腕が、チームを混セからの脱走へと導くキーマンになりつつある。
誰かがだめなら誰かが埋める。これがしっかりとできているチームは強い。エースの復調と、代わりを務める選手が好調を維持できるかという点が、後半戦のペナントを見て行く上でのポイントとなりそうだ。
<ソフトバンク>
摂津 正 13試 5勝5敗 防3.77
↓
武田翔太 17試 9勝4敗 防3.07
☆日本代表にも選出されている4年目右腕がついに本格化?自己最多の9勝を積み上げ、2ケタは目前。復活へ向けて歩みだした摂津とともに、武田がどこまで勝ち星を伸ばしていけるかにも注目だ。
<日本ハム>
大谷翔平 14試 11勝1敗 防1.79
☆現在パの投手四冠。たった3年でリーグトップの投手へと上り詰めようとしている。心身ともに厳しい戦いが続いていくこの先も同じように勝ち進むことができるか、真価が問われる。
<千葉ロッテ>
涌井秀章 18試 8勝7敗 防3.58
☆先発のみの勝ち星では石川歩と並びチームトップも、7敗はエースとしては頂けない。内容が目に付くことも多々あり、チームは現在好調であるとはいえ、涌井を超えて行くような投手が現れないのは問題点であり不安要素でもある。
<西武>
岸 孝之 8試 1勝4敗 防3.60
↓
野上亮磨 16試 7勝5敗 防3.18
十亀 剣 16試 7勝5敗 防3.45
☆岸不在を2人で埋めた野上と十亀も、ここに来て白星が伸び悩む。好投しながら中継ぎが打たれた試合などもあるが、出遅れた岸ともども苦しい戦いが続いている。
<楽天>
則本昂大 18試 6勝8敗 防3.23
☆最多勝を口に出して意識して臨んだシーズンは思わぬ展開に。この成績でチームトップと言うのも寂しいところではあるのだが、逆転CSに向けてはこの人の本領発揮が不可欠だ。
<オリックス>
金子 千尋 10試 5勝4敗 防4.13
↓
ディクソン 17試 8勝8敗 防2.28
☆エース不在にケガ人続出とどん底のチームで孤軍奮闘したディクソン。本来ならば大谷と勝ち数で争っていてもおかしくはない内容であった。それだけに、ここに来ての負傷離脱は痛い。今度はディクソン不在を金子が埋めることができるか。
<ヤクルト>
小川泰弘 18試 6勝6敗 防3.50
↓
山中浩史 5試 5勝0敗 防3.00
☆ヤクルト投手陣に彗星のごとく現れた救世主。好調な打線の援護を受け、最終的にはまさかのチーム最多勝も夢ではない。小川や石川はこの刺激に奮起し、巻き返すことができるか。
<巨人>
菅野智之 17試 8勝7敗 防1.58
☆負け数の多さが指摘されたものの、ここぞで見せる投球はさすが。前田健太との投げ合いなどにも強さを発揮し、指摘した人たちもエースと認めざるを得ないような投球を披露している。
<阪神>
メッセンジャー 19試 7勝8敗 防3.00
↓
藤浪晋太郎 18試 8勝5敗 防2.79
☆開幕投手の座も争った2人。メッセンジャーは二軍再調整も経験するなど苦しいシーズンとなった中、藤浪がここまで貯金3つで防御率2点台と結果でリードする。
<広島>
前田健太 18試 8勝7敗 防2.42
☆こちらも負け数が多いものの、試合を作る能力はピカイチ。劣勢でもやはりエースは前田というような投球を見せており、あとは勝ち運だけ。
<DeNA>
久保康友 17試 7勝6敗 防4.35
☆大爆発、炎上のシーンが目立つものの、どうにか貯金を作って来るあたりはさすが。あとは安定感さえ取り戻すことができれば。
<中日>
山井大介 18試 3勝9敗 防4.26
↓
大野雄大 19試 9勝6敗 防2.61
☆昨年の最多勝・最高勝率右腕がまさかの負け越し6。大ブレーキの大誤算。それでも期待の大野がしっかりと結果を残しており、苦しむチームの中で9勝を記録。3年連続2ケタ勝利も目前だ。
西武の岸孝之やオリックスの金子千尋といったあたりは故障で開幕に間に合わず、その他にも則本やメッセンジャー、菅野、前田健太、山井といったタイトルを獲得するような一流投手たちが思うように勝ち星を伸ばせずにいる。数字を見てエースらしい圧倒的な投球を続けていると言えるのは日本ハムの3年目・大谷翔平くらいだ。
そんな中、大黒柱の苦戦を補って余りある活躍を見せて救世主となっている選手もいる。たとえば、ソフトバンクの武田翔太がその一人だ。
ソフトバンクは近年エースとして君臨してきた摂津がまさかの不調で二軍落ち。シーズン中にミニキャンプを敢行するまでに落ち込んでしまった。そんな緊急事態に立ち上がった4年目の右腕は、6月には自身初となる月間MVPを獲得。ここまでの時点で自己最多を更新する9勝をマークし、スタンリッジと共に首位を走るチームをけん引している。
また、意外な救世主として世間を賑わせているのがヤクルトの山中浩史。背番号は「68」、プロ3年目ながら今年で30歳を迎える苦労人のアンダーハンドだ。
2年目の2014年にまさかのトレード宣告。ヤクルトへ入団した右腕は、移籍後も9試合の登板で0勝0敗、防御率6.75と良い印象は残せずに移籍初年度を終えていた。
ところが今年は6月12日の西武戦で今季初登板・初勝利をマークすると、8月2日の阪神戦まで無傷の5連勝。開幕から5戦5勝というのは、球団ではあの400勝投手・金田正一以来という快挙だった。
ライアン小川泰弘やベテランの石川雅規、FAで新加入の成瀬善久といった期待の投手たちが揃って伸び悩む中、わずか2カ月足らずで5勝を積み上げたアンダーハンド右腕が、チームを混セからの脱走へと導くキーマンになりつつある。
誰かがだめなら誰かが埋める。これがしっかりとできているチームは強い。エースの復調と、代わりを務める選手が好調を維持できるかという点が、後半戦のペナントを見て行く上でのポイントとなりそうだ。
<ソフトバンク>
摂津 正 13試 5勝5敗 防3.77
↓
武田翔太 17試 9勝4敗 防3.07
☆日本代表にも選出されている4年目右腕がついに本格化?自己最多の9勝を積み上げ、2ケタは目前。復活へ向けて歩みだした摂津とともに、武田がどこまで勝ち星を伸ばしていけるかにも注目だ。
<日本ハム>
大谷翔平 14試 11勝1敗 防1.79
☆現在パの投手四冠。たった3年でリーグトップの投手へと上り詰めようとしている。心身ともに厳しい戦いが続いていくこの先も同じように勝ち進むことができるか、真価が問われる。
<千葉ロッテ>
涌井秀章 18試 8勝7敗 防3.58
☆先発のみの勝ち星では石川歩と並びチームトップも、7敗はエースとしては頂けない。内容が目に付くことも多々あり、チームは現在好調であるとはいえ、涌井を超えて行くような投手が現れないのは問題点であり不安要素でもある。
<西武>
岸 孝之 8試 1勝4敗 防3.60
↓
野上亮磨 16試 7勝5敗 防3.18
十亀 剣 16試 7勝5敗 防3.45
☆岸不在を2人で埋めた野上と十亀も、ここに来て白星が伸び悩む。好投しながら中継ぎが打たれた試合などもあるが、出遅れた岸ともども苦しい戦いが続いている。
<楽天>
則本昂大 18試 6勝8敗 防3.23
☆最多勝を口に出して意識して臨んだシーズンは思わぬ展開に。この成績でチームトップと言うのも寂しいところではあるのだが、逆転CSに向けてはこの人の本領発揮が不可欠だ。
<オリックス>
金子 千尋 10試 5勝4敗 防4.13
↓
ディクソン 17試 8勝8敗 防2.28
☆エース不在にケガ人続出とどん底のチームで孤軍奮闘したディクソン。本来ならば大谷と勝ち数で争っていてもおかしくはない内容であった。それだけに、ここに来ての負傷離脱は痛い。今度はディクソン不在を金子が埋めることができるか。
<ヤクルト>
小川泰弘 18試 6勝6敗 防3.50
↓
山中浩史 5試 5勝0敗 防3.00
☆ヤクルト投手陣に彗星のごとく現れた救世主。好調な打線の援護を受け、最終的にはまさかのチーム最多勝も夢ではない。小川や石川はこの刺激に奮起し、巻き返すことができるか。
<巨人>
菅野智之 17試 8勝7敗 防1.58
☆負け数の多さが指摘されたものの、ここぞで見せる投球はさすが。前田健太との投げ合いなどにも強さを発揮し、指摘した人たちもエースと認めざるを得ないような投球を披露している。
<阪神>
メッセンジャー 19試 7勝8敗 防3.00
↓
藤浪晋太郎 18試 8勝5敗 防2.79
☆開幕投手の座も争った2人。メッセンジャーは二軍再調整も経験するなど苦しいシーズンとなった中、藤浪がここまで貯金3つで防御率2点台と結果でリードする。
<広島>
前田健太 18試 8勝7敗 防2.42
☆こちらも負け数が多いものの、試合を作る能力はピカイチ。劣勢でもやはりエースは前田というような投球を見せており、あとは勝ち運だけ。
<DeNA>
久保康友 17試 7勝6敗 防4.35
☆大爆発、炎上のシーンが目立つものの、どうにか貯金を作って来るあたりはさすが。あとは安定感さえ取り戻すことができれば。
<中日>
山井大介 18試 3勝9敗 防4.26
↓
大野雄大 19試 9勝6敗 防2.61
☆昨年の最多勝・最高勝率右腕がまさかの負け越し6。大ブレーキの大誤算。それでも期待の大野がしっかりと結果を残しており、苦しむチームの中で9勝を記録。3年連続2ケタ勝利も目前だ。