【第97回全国高校野球選手権大会・10日目】
○ 花咲徳栄 1 - 0 鶴岡東 ●
初戦を16安打で鳥取城北に打ち勝った鶴岡東と、18安打15得点で三沢商を下した打撃好調のチームがぶつかる第二試合。
初戦では8回を投げ89球、無四死球と制球の良さを見せていた花咲徳栄のエース・鎌倉だが、この試合では2回までに3四死球と制球を乱す。4回まで毎回スコアリングポジションにランナーを出す苦しいピッチングだが、粘り強く耐えて5回まで無失点。
対する鶴岡東の先発は甲子園初登板となる背番号10の松崎。初回を3つのセカンドゴロで三者凡退に抑えるが、こちらも2回から5回まで先頭打者を出塁させる苦しいピッチング。ショートで主将の安食(あじき)の好フィールディングなどもあり、こちらも5回無失点で抑える。
お互い走塁ミスや牽制死、バントミスなどがあり、ランナーこそ出すものの決め手に欠いた攻撃となってしまった。グラウンド整備と終戦記念日の黙祷が行われ、ゲームは後半戦へ。どちらも早くいいリズムを作っていきたいところ。
両ベンチに動きが見えたのが7回表の鶴岡東の攻撃。一死から9番松崎、1番田辺と連続安打で一、二塁とすると、花咲徳栄は左腕の高橋にスイッチする。高橋は埼玉大会で16回2/3を投げ、24奪三振と三振を奪える投手。すると鶴岡東も右の代打、阪本を送り勝負に出るが3球三振。高橋は続く3番柿崎も見逃し三振に抑える。
守備でいいリズムを作った花咲徳栄はその裏、先頭の4番大滝がレフト前にクリーンヒット。続く里見がこの試合初めて送りバントを成功させ、一死二塁。さらに6番楠本の三遊間への深い当たりが内野安打となり一死二、三塁とこの試合最大のチャンスを演出する。ここまで松崎の縦に大きく落ちるスライダーに苦しんでいた花咲徳栄だったが、7番笹谷がそのスライダーが真ん中に入ったのを見逃さず、センター前タイムリーヒットを放ち、ついに先制に成功した。
先制された鶴岡東は8回表、一死から5番安食が四球、続く丸山のライト前ヒットでこちらも一死一、三塁とチャンスを作る。しかし、7番黒川の三ゴロでサードランナーの安食が三本間に挟まれてしまい憤死。続く竹本はセンターフライで得点ならず。
8回裏の花咲徳栄の攻撃。2番の太田が四球、3番岡崎のヒットで二死一、三塁となり、これ以上得点を許せない鶴岡東はエースナンバーをつけた福谷を投入する。花咲徳栄の4番の大滝は鋭い打球を放つが、サードの安食が好守で無失点でしのぎ、最後の攻撃へ賭ける。しかし、高橋が最終回のプレッシャーをものともせず三者凡退で締め、埼玉県勢では12年ぶりとなるベスト8へ進出した。
試合序盤は両チームとも攻撃面でミスが目立った。どちらが先に悪い流れを断ち切れるかが勝負の分かれ目に思えた。そこでいち早く継投という形で動いた花咲徳栄。リリーフの高橋の好投で守備からいいリズムを作ることに成功したのが勝因と言えるだろう。
文=朝倉尚
○ 花咲徳栄 1 - 0 鶴岡東 ●
初戦を16安打で鳥取城北に打ち勝った鶴岡東と、18安打15得点で三沢商を下した打撃好調のチームがぶつかる第二試合。
初戦では8回を投げ89球、無四死球と制球の良さを見せていた花咲徳栄のエース・鎌倉だが、この試合では2回までに3四死球と制球を乱す。4回まで毎回スコアリングポジションにランナーを出す苦しいピッチングだが、粘り強く耐えて5回まで無失点。
対する鶴岡東の先発は甲子園初登板となる背番号10の松崎。初回を3つのセカンドゴロで三者凡退に抑えるが、こちらも2回から5回まで先頭打者を出塁させる苦しいピッチング。ショートで主将の安食(あじき)の好フィールディングなどもあり、こちらも5回無失点で抑える。
お互い走塁ミスや牽制死、バントミスなどがあり、ランナーこそ出すものの決め手に欠いた攻撃となってしまった。グラウンド整備と終戦記念日の黙祷が行われ、ゲームは後半戦へ。どちらも早くいいリズムを作っていきたいところ。
両ベンチに動きが見えたのが7回表の鶴岡東の攻撃。一死から9番松崎、1番田辺と連続安打で一、二塁とすると、花咲徳栄は左腕の高橋にスイッチする。高橋は埼玉大会で16回2/3を投げ、24奪三振と三振を奪える投手。すると鶴岡東も右の代打、阪本を送り勝負に出るが3球三振。高橋は続く3番柿崎も見逃し三振に抑える。
守備でいいリズムを作った花咲徳栄はその裏、先頭の4番大滝がレフト前にクリーンヒット。続く里見がこの試合初めて送りバントを成功させ、一死二塁。さらに6番楠本の三遊間への深い当たりが内野安打となり一死二、三塁とこの試合最大のチャンスを演出する。ここまで松崎の縦に大きく落ちるスライダーに苦しんでいた花咲徳栄だったが、7番笹谷がそのスライダーが真ん中に入ったのを見逃さず、センター前タイムリーヒットを放ち、ついに先制に成功した。
先制された鶴岡東は8回表、一死から5番安食が四球、続く丸山のライト前ヒットでこちらも一死一、三塁とチャンスを作る。しかし、7番黒川の三ゴロでサードランナーの安食が三本間に挟まれてしまい憤死。続く竹本はセンターフライで得点ならず。
8回裏の花咲徳栄の攻撃。2番の太田が四球、3番岡崎のヒットで二死一、三塁となり、これ以上得点を許せない鶴岡東はエースナンバーをつけた福谷を投入する。花咲徳栄の4番の大滝は鋭い打球を放つが、サードの安食が好守で無失点でしのぎ、最後の攻撃へ賭ける。しかし、高橋が最終回のプレッシャーをものともせず三者凡退で締め、埼玉県勢では12年ぶりとなるベスト8へ進出した。
試合序盤は両チームとも攻撃面でミスが目立った。どちらが先に悪い流れを断ち切れるかが勝負の分かれ目に思えた。そこでいち早く継投という形で動いた花咲徳栄。リリーフの高橋の好投で守備からいいリズムを作ることに成功したのが勝因と言えるだろう。
文=朝倉尚