ニュース 2015.08.15. 15:54

【高校野球】東海大相模が投打に圧倒! 盤石の試合運びで5年ぶりのベスト8

【第97回全国高校野球選手権大会・10日目】
● 遊学館 2 - 11 東海大相模 ○

 大会屈指の好投手の小笠原、吉田を擁し、優勝候補の呼び声高い東海大相模(神奈川)が第三試合に登場。初戦の聖光学院戦では吉田の好投が光った。対する遊学館(石川)は打撃が売りのチーム。2回戦の九州学院戦でも14安打を放っている。そのうち10安打を放った上位打線は特に活発だ。

 遊学館の先発は初戦に続きエースの小孫。初戦は被安打5と好投している。打線も強力な東海大相模は初回から小孫を攻めたてる。1番千野が死球で出塁し、2番宮地、3番杉崎が連打。レフトがクッションボールの処理をもたつく間に2点を先制し、杉崎は一気に三塁まで陥れる。さらに5番の磯網のセンター前ヒットで1点を追加する。二死一、二塁となったところで一塁へのピックオフプレーが悪送球となってしまい、セカンドランナーが一気にホームまで還ってきて4点目。

 東海大相模のこの試合の先発は左腕の小笠原。テンポよく二死を奪う。遊学館は小笠原対策として3番に起用した直球に強い廣橋がセンター前にチーム初安打を放つが、次打者を打ち取られ無得点。

 試合が再び動いたのは4回表。東海大相模の先頭、7番竹内がライト前ヒットで出塁すると送りバントと、ショートゴロの間にランナーが三塁へ。二死から1番千野が甲子園初ヒットとなるライト前タイムリーを放つ。さらに2番宮地がレフト線を破るタイムリー三塁打で6-0となったところで、遊学館はもう一人のエース格、本定がリリーフのマウンドへ送る。その本定は3番杉崎をセカンドフライに打ち取ってピンチをしのいだ。

 5回表も東海大相模の猛攻は続く。先頭打者を四球で出塁させると、送りバントで一死二塁。6番で主将の長倉がレフト前ヒットで一、三塁とチャンスを広げると、7番竹内がライト前に鋭いライナー性の当たりを飛ばしタイムリーヒットとなる。さらに8番の川地センターへの犠牲フライで8点目。

 6回表に本定は先頭の杉崎を四球で出してしまうと、4番の豊田のところで東海大相模がランエンドヒットをしかける。これが決まり無死一、三塁。さらに5番磯網がレフト前適時打を放つ。ここで遊学館は投手を3人目の森山へと交代。森山は思い切りのよいピッチングで追加点を防いだ。

 東海大相模の小笠原はポンポンと速いテンポで投げ込む。ヒットや守備の乱れで度々ランナーこそ出すものの、決して力んだり焦ることなく、高校生離れした落ち着いたピッチングを展開していく。

 遊学館の反撃は6回裏。3番廣橋、4番高木の連続ツーベースでついに小笠原から1点を奪う。さらに死球と東海大相模の守備の乱れをつき、さらに1点を入れる。6回を終えて9-2とする。

 8回表。東海大相模はヒットと送りバント、タイムリーという流れるような攻撃でついに得点は2桁の11点とし、勝利を盤石のものとした。

 東海大相模は小笠原の投球のみならず、野手が打者によってあらかじめ守備位置を変えて安打性の当たりも難なく打ち取るなど、投・打・守いずれも質の高さを存分に見せつけた。また、敗れた遊学館も、小笠原の150キロに迫るストレートにも振り負けないスイングや、堅実な守備を披露し、点差こそ開いたが引き締まった試合を展開した。

文=朝倉尚
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