ニュース 2015.08.15. 18:19

【高校野球】 九州国際大付が再三のピンチをしのぎ0封勝利! 4番山本は今大会3本目のホームラン!

【第97回全国高校野球選手権大会・10日目】
○ 九州国際大付 2 - 0 作新学院 ●

 本日の最後の試合は強力な打線を擁するチーム同士の対戦となる。作新学院(栃木)は上田西戦で17安打10得点と圧倒。対する九州国際大付(福岡)はここまで2試合で18得点。2回戦の大阪偕星戦では中軸の岩崎、山本が3本塁打を放っている。

 九州国際大付の先発は左腕のエース富山。スリークォータから繰り出す変化球を低めに集めて、三者凡退の立ち上がりを見せる。対する作新学院の先発投手は初戦と同じく倉井。長身から投げ下ろす角度のある直球で詰まらせ、こちらも三者凡退。

 この試合の初ヒットは2回表一死。作新学院は5番小林がライト前に放つが、6番の黒崎を4ー6ー3のゲッツーで打ち取り、結果的に3人で攻撃終了。その後は互いにランナーを出し、バントを使わずヒットエンドランなどで積極的に打って出るが、両投手の粘り強い投球と堅実な守備で得点を許さない。

 5回裏の九州国際大付は二死一塁から1番吉井がライト線を破るヒットを放つ。一塁ランナーの富山が一気にホームを狙うが、作新学院のライト小林からの好返球と素早い中継プレーでホームタッチアウト。

 均衡が破れたのは6回裏。2死から4番山本が真ん中外よりのストレートを振り抜くと、レフト越えの滞空時間の長いホームランとなる。山本は今大会3本目のホームラン。大会第21号。続く5番脇坂の詰まった当たりにセンターの大橋が果敢にダイビングキャッチを試みるも惜しくもグラブからボールがこぼれ落ちる。それを見逃さず脇坂は2塁まで到達。さらに6番宇都に四球を与え、二死一、二塁のピンチを迎えるが、ショートゴロで最少失点で乗り切る。

 先制点を奪われた作新学院は、一死から7番横尾が左中間へツーベースを放つと、投手の倉井の打順で代打関口を送り勝負に出る。関口は四球を選び、9番大橋が送りバント。二死ながら二、三塁のチャンスを作る。1番赤木は四球。二死満塁とこの試合を左右するであろう場面。2番吉澤はセカンドゴロで、結局無得点で終わってしまう。

 7回裏、作新学院は背番号10の有田がマウンドに。先頭の8番中山がライト前にヒットを放つと、9番の富山が送りバント。次の1点を狙いにくる。1番吉井がレフトへヒットを放ち、一、三塁。次打者山口のファーストゴロで二死二、三塁とすると、3番岩崎が内よりの球をセンター前に運ぶ。これで0ー2。さらに二塁走者もホームを狙うが、センター大橋がストライク返球で3点目は許さない。

 そのまま試合は進みついに最終回。最終回のマウンドも富山が登る。勝利へのプレッシャーに負けず、ここを三者凡退で抑え、九州国際大付が勝利をつかみ取った。

 両校の監督とも試合前に打撃戦を予想していたが、それに反して投手戦となったこの一戦。作新学院は再三ランナーを出し、盗塁やエンドランなどで揺さぶりをかけ続けたが、九州国際大付ナインは決して慌てることなくひとつずつ冷静にプレーして、ピンチをしのいでいった。

文=朝倉尚
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