試合前に監督からこう尋ねられた時、あなたならどちらを選びますか？

　「休むか、全部のポジションで出るか…。どっちがいい？」

　この破天荒な二択を迫られたのが、レッズ傘下の2Aペンサコーラ・ブルーワフーズに所属する中国系アメリカ人のレイ・チャン。彼は試合に出場することを選んだ。

　現地時間9月6日（日本時間7日）、2A・サザンリーグ最終戦となったペンサコーラとモービルの一戦。チャンはファーストでスタメン出場すると、2回にはセカンドへ回り、そしてショート、サード、レフト、センター、ライトと1イニングごとに守備位置を変えて行く。

　迎えた8回、キャリアで初めてという捕手も務め上げ、最終回にはついに投手としてマウンドに。9回を三者凡退で締めて見せた。なお、チームは2－4で敗れたが、チャンがマスクを被った8回と、登板した9回はいずれも無失点で終えている。

　しかも、本業の打撃の方では4打数3安打の大当たり。獅子奮迅の活躍を見せ、自らの選択が正しかったことを証明した。

　ちなみに、チームはこの前の試合で地区優勝を決めており、この試合はいわゆる消化試合であった。

レイ・チャン

今季成績（2A）：87試　率.283　本1　点28　
通算成績（2A）：428試　率.279　本15　点162
通算成績（3A）：249試　率.251　本7　点73
　
　アメリカ・ミズーリ州の出身の中国系アメリカ人。1983年8月24日生まれの32歳。今季はシンシナティ・レッズ傘下のチームでプレーし、メジャー経験はなし。WBCには09年と13年の2度、中国代表として参戦している。