決着秒読み?注目のキューバ人スラッガー
海の向こうアメリカでは、各チームがまだまだ活発な動きを見せている。
現地時間の16日(日本時間17日)には、カンザスシティ・ロイヤルズが先発右腕イアン・ケネディを5年総額7000万ドル(約82億円)で獲得。FAで抜けたジョニー・クエトの穴を補填した。
さらに同じく現地時間16日、ボルティモア・オリオールズをFAとなったクリス・デービスがチームと再契約。7年総額で1億6100万ドル(約188億円)という超大型契約で話題となった。
このオフもザック・グリンキー(ドジャース→ダイヤモンドバックス)をはじめ、デービッド・プライス(ブルージェイズ→レッドソックス)、アロルディス・チャプマン(レッズ→ヤンキース)、最近ではチェン・ウェイン(オリオールズ→マーリンズ)といった大物が多く移籍を決めたが、いま“最後の大物”として度々名前があがっている選手がいる。メッツからFAとなったキューバ人スラッガー、ヨエニス・セスペデスだ。
第2回WBCなどの国際大会で名を上げたセスペデスは、2011年のオフに亡命。争奪戦が巻き起こった末にアスレチックスと契約を結んだ。
2年間をアスレチックスで過ごすと、3年目の途中でレッドソックスへと移籍。2015年の頭からタイガースへ移ると、2015年の途中に今度はメッツへ移籍と、なんとメジャー4年間で4チームを渡り歩くという忙しいシーズンを送る。
それでも、昨年は4チーム目の所属となったメッツで大暴れ。57試合の出場で打率.287、17本塁打をマークし、チームの9年ぶり地区優勝とリーグ優勝に貢献。短い期間ながらMVP級の活躍を見せた。
しかし、ここまで来ても未だに移籍先は決まっていない。これだけの選手が市場に残ってしまっている理由として、彼が求めているとされる条件面の問題が挙がる。
能力は誰もが認めるところだが...
セスペデスの要求は6年総額1億3000万ドル(約152億円)以上とされており、これだけの高額な条件を飲めるチームは限られてくる。さらにセスペデスに関しては短期間での契約を望むチームが多いだけに、即決で獲得に乗り出すというチームが出てこなかった。
実際にメッツをはじめ、エンゼルスやホワイトソックス、ブレーブスといったあたりが獲得候補に挙がっていたが、いまではその動きは影を潜めたと言われている。
そんな中、ここに来てセスペデスの移籍候補として浮上してきたチームがある。ア・リーグ西地区に所属するヒューストン・アストロズだ。
MLB公式サイト『MLB.com』に掲載された記事によると、殿堂入り記者のピーター・ギャモンズ氏が「アストロズはセスペデスに注目すべきであると、ある球団幹部から聞いた」といった旨のツイートを行ったことで、アストロズの動きに注目が集まっているという。
アストロズは27本塁打のエバン・ガティスをはじめ、コルビー・ラスマス、ルイス・バルブエナ、カルロス・コレアといったあたりがシーズン20本塁打以上を記録しており、チーム本塁打230本はリーグでも2番目の数字。本拠地ミニッツメイド・パークの特性を活かした長打力がウリのチームで、野手有利と言われる球場が本拠地となれば、セスペデスの成績がさらに向上する可能性もある。
もし実現すれば、ア・リーグ西地区のレンジャーズに所属するダルビッシュ有にとっては脅威となること間違いなしだが…。これからはセスペデスとアストロズの動向から目が離せない。
▼ ヨエニス・セスペデス
・出身:キューバ
・生年月日:1985年10月18日(31歳)
・投打:右投右打
・ポジション:外野手
[昨季成績] 159試 率.291 本35 点105 OPS.870
[通算成績] 575試 率.271 本106 点367 OPS.805
※年齢は満年齢