ソフトバンク時代は二軍生活
ドラフト2位ルーキーの重信慎之介が連日の活躍で外野手争いに名乗りを挙げているが、この男の存在も忘れてはならない。
昨季シーズン後半から1番打者に定着した立岡宗一郎だ。今季プロ8年目を迎える立岡は、08年ドラフト2位でソフトバンクに入団。背番号は井口資仁が付けていた「7」を与えられるなど将来を嘱望されていた。
だが、プロ1年目の09年は一軍出場なし。2年目に一軍デビューを果たしたが、二軍で腕を磨く日々が続いた。その間に一軍は、10年と11年にリーグ連覇。11年は日本一に輝いたが、1度も一軍出場はなく、全く貢献することができなかった。
12年には1学年後輩の今宮健太(ソフトバンク)が、一軍で台頭。立岡もアピールしたいところだったが、一軍での出番はなく、同年の6月に巨人へトレード移籍した。
左肘靭帯断裂が転機に
トレードをきっかけに、一軍での出場機会を増やしたかったが、入団直後の二軍戦で味方の野手と交錯。左肘靭帯を断裂し、右打席で思い切りバットが振れなくなったため、左打者に転向した。
この左打席が結果的に上手くハマる。同年秋のフェニックスリーグで打率3割以上マーク。翌年の5月14日には移籍後初昇格し、同月の15日にはロッテの益田直也から内野安打を放ち、プロ初安打を記録。この年は、46試合に出場した。
しかし翌14年は、わずか2試合と出場機会が激減。それでも15年は、5月下旬に一軍昇格すると、同月30日の楽天戦で4安打。6月からはスタメンで起用されるようになり、8月には安打を量産し、月間40安打を放つ活躍ぶり。
故障や不振で力を発揮することができなかった選手の中で、立岡は規定打席未到達ながら打率.304の成績。トップバッターとしてチームを支えた。
「1番・中堅」を不動のモノにしたい
今季はルーキーの重信が猛アピールし、さらにレギュラー争いが激しいものになっている。だが、立岡もレギュラーを不動なモノにするために、熾烈な外野手争いに負けるわけにはいかない。
途中出場となった21日の広島とのオープン戦では、ライト前ヒットを記録した。ここまで複数安打はマークしていないが、紅白戦や練習試合ではヒットを放ちアピールを続ける。
また、巨人の外野は重信だけでなく、選手会長の長野久義を始め、亀井善行、大田泰示、橋本到、松本哲也などライバルが多い。不調や故障などがあれば、代わりがいくらでもいるチーム。過去に首位打者を獲得したことのある長野も、昨季シーズン序盤はレギュラー落ちを経験したほど。
常に競争が絶えないが、なんとしてもこの争いを勝ち抜き、3月25日のヤクルトとの開幕戦では「1番・中堅」でスタメン出場を果たしたいところだ。
▼立岡宗一郎
生年月日:1990年5月18日(25歳)
出身:熊本
経歴:鎮西高-ソフトバンク-巨人
ポジション:外野手
身長/体重:181センチ/81キロ
投打:右投両打
[NPB通算]140試 率.284 本0 点21 出塁率.323 長打率.333 OPS.658