右肘手術は「シーズンを戦い抜くため」
ヤンキースの田中将大投手が、米フロリダ州タンパでメジャー3年目のキャンプを迎えた。
昨年10月に骨の欠片を取り除く手術(右肘骨片除去手術)を受けた田中。今キャンプは初日からブルペンに入り、変化球を織り交ぜ25球。「ユニフォームを着たので自然に腕を振れた。順調でよかった」と満足そうな表情を浮かべた。
1年目の2014年は、13勝5敗、防御率2.77の好成績を残すも、夏場に右肘靭帯の部分断裂が発覚し2カ月半離脱。開幕投手を務め12勝を挙げた昨季も、4月下旬に右手首の炎症と上腕部の張りで故障者リストに入り、1カ月以上も戦列を離れた。過去2シーズンはいずれも規定投球回未到達。今オフ右肘にメスを入れたのは「自信を持ってシーズンを戦い抜くため」。目標は200イニング超えだ。
ヤンキースは昨季、チームでも200イニング以上登板した投手はおらず、エース不在が3年連続V逸の要因となった。今オフはレッズの守護神アロルディス・チャップマンを獲得。デリン・ベタンセス、アンドリュー・ミラーと組むリリーフトリオはメジャー屈指。それだけに試合を作る先発陣の働きがより重要になる。
15日には第一子となる長男が誕生。「妻の頑張りを近くで見ていましたし、誕生した瞬間は今まで味わったことがないような感動があった。今年は特別な年になると思うし、いい方向に繋げられたら」と喜びを語った。
すでに各メディアが開幕投手の有力候補に挙げ、2年連続の大役に期待が膨らむ。初日のブルペンを見守ったジラルディ監督は、「とてもいい感じで投げていた。満足している」とコメントしたが、実戦登板については「彼の準備が整ってから。時間が必要なら与える」と慎重な姿勢を崩さない。
「開幕から行けるのが一番。そこを目指すのは変わらない」と田中。愛する家族にパワーをもらい、今季こそシーズン通してのフル稼働に期待したい。