2007年はレッドソックスのワールドシリーズ優勝に貢献
昨季限りでDeNAを自由契約となった岡島秀樹が4日、ボルティモア・オリオールズとマイナー契約を結んだ。フロリダ州サラソタで行われるスプリングトレーニングの招待選手には入っておらず、マイナー組に合流する。
岡島にとって、3年ぶり3度目のアメリカ球界となる。2007年、日本ハムからFAしボストン・レッドソックスに入団した岡島だったが、当初は活躍を予想する声が少なかった。開幕戦でメジャーデビューし、史上7人目となる初球被本塁打を記録したものの、その後は安定したピッチングを見せた。
4月は防御率0.71、1イニングあたりに許した走者の数を表すWHIPは0.63で月間最優秀新人を獲得。シーズンを通しては、チーム最多となる66試合に登板し3勝2敗5セーブ27ホールド、防御率2.22、WHIP0.97と素晴らしい成績を残し、プレーオフではチームのワールドシリーズ優勝に貢献した。
2008年以降もレッドソックスの貴重なリリーフとして活躍し、2009年まで3年連続60試合以上に登板。2012年、ソフトバンクで日本球界に復帰し56試合に登板したが、翌2013年には再びメジャーを目指すために渡米。スプリングトレーニング間近の2月にオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結んだ。5月にメジャー昇格を果たしたが、シーズン通算で5試合の登板に終わり、シーズン終了を待たずに自由契約となっている。
昨季まで日本では通算549試合38勝40敗50セーブ74ホールド、防御率3.19、WHIP1.28。メジャーでは266試合17勝8敗6セーブ84ホールド、防御率3.09、WHIP1.26の成績を残している。
左腕が豊富なオリオールズのリリーフ陣
プロ22年目、40歳になった岡島がメジャー昇格を果たせるかに注目が集まるが、現時点ではかなり厳しいと言わざるを得ない。オリオールズのリリーフ陣は、昨季36セーブを挙げたクローザーのザック・ブリットンを筆頭に、58試合に登板したブライアン・マッツ、30試合に登板したTJ・マクファーランドと左投げが豊富にいるからだ。
彼らに何らかのアクシデントがあったとき、すぐにメジャー昇格できるようにマイナーで準備をしておくというのが、岡島が置かれた立場という見方ができる。
しかし、その立場は決して絶望的なものではない。過去のメジャーでの成績での比較になるが、岡島の与四球率は3.16。ブリットンの通案与四球率3.36、マクファーランドの3.06、マッツの3.38と比べても大きな差はない。
また、メジャーでのクリーンアップとの対戦成績でも岡島は比較的いい数字を残している。3番打者に対し通算被打率.237、4番に対し.248、5番に対しては9つの打順でもっとも低い.189である。
左右の打者別では対右打者に.254、左打者に.223と左打者をよく抑えている。左打者が並ぶクリーンアップと対戦することがあれば、そこでいかんなく持ち味を発揮しアピールしたいところだ。
昨季、DeNAで10試合投げ防御率8.59に終わったが、太ももを痛めていたこともあり、ケガさえ完治していればまだ活躍できるはず。見ている限り、岡島にとってはメジャーの使用球のほうがチェンジアップなどの変化球を投げる際にフィットしやすいようにも感じられることもあり、3度目の挑戦を大いに期待したい。
文=京都純典(みやこ・すみのり)