同級生・青木とチームメイトに
マリナーズの岩隈久志投手が27日(日本時間28日)、今キャンプ3度目となるブルペンで、変化球を織り交ぜながら44球を投げ込んだ。
再びマリナーズと1年契約を結んだ右腕は、今キャンプ順調そのもの。2014年はオフにケガ、昨季は開幕直後に広背筋を痛め春先の出遅れが続いているが、今季はじっくりと歩を進めている。
頼もしいチームメイトも加わった。今季は同級生でプライベートでも仲の良い青木宣親と同僚に。21日には食事した様子を自身のブログに掲載し、「今シーズンはノリ(青木)と一緒にワールドチャンピオン目指して頑張ります」と共闘を誓った。
快挙を達成した15年、今季は200投球回超えに期待
春先こそ躓いたが、15年は岩隈にとって忘れられないシーズンとなった。初勝利は7月11日のエンゼルス戦までズレ込んだが、その後は再び先発ローテーションに定着し本来の姿を取り戻した。
そして8月12日のオリオールズ戦で、投手なら誰もが夢見る快挙を成し遂げる。この試合では珍しく3つの四球を与えたが、両コーナーを丹念に突く投球を貫きノーヒットノーランを達成。日本人投手では野茂英雄以来2人目の快挙に、普段はクールな右腕も「最後のアウトは燃えました」と声を弾ませた。
9月22日のロイヤルズ戦で9勝目を挙げ、3年連続の2ケタ勝利に王手。その後の2登板で白星を掴むことができず、9勝5敗、防御率3.54の成績で15年シーズンを終えたが、それでも「後半戦は何とか自分の投球を取り戻せた」と前向きにシーズンを振り返った。
FA権を得た今オフはドジャースと契約合意とまで報じられたが、身体検査後に一転破談となり、再びマリナーズと単年契約を結んだ。
ドジャース側は健康面の不安を指摘したが、岩隈は「信頼するシアトルのチームドクターから検査を受け『3年契約も大丈夫だよ!』とお墨付きをもらいました」と主張。今季はマウンドでもこの事実を証明しなければならない。
チームは14年にプレーオフ進出まであと一歩に迫ったが、昨季は76勝86敗で地区4位に沈んだ。オフはビッグネームの補強こそなかったが、野手陣では出塁能力に優れる青木、昨季ブルワーズで打率.277、20本塁打、OPS.820をマークしたアダム・リンドらを補強。投手陣でもブルペン要因のホアキン・ベノア、スティーブン・シーシェックらを獲得し、上位を狙える戦力を整えた。
メジャー通算4年で47勝25敗、勝率.653を誇る岩隈。マウンドに上がれば高確率で勝利をもたらしてくれるだけに、今季は3年ぶりの200イニング登板を果たし、チームを15年ぶりのプレーオフ進出へ導いてほしいところだ。