プレミア12で露呈した侍の課題…秋吉、森、戸根の中継ぎ陣に期待
3月5日(土)と6日(日)に侍ジャパンの強化試合「日本通運 presents 侍ジャパン強化試合 日本 vs チャイニーズ・タイペイ」が行われる。
時期的な問題もあり、参加選手の招集に頭を悩ませた小久保裕紀監督だったが、巨人の菅野智之やソフトバンクの武田翔太、DeNAの山崎康晃といった“今が旬”な投手たち11人が選出された。
大谷翔平(日本ハム)、則本昂大、松井裕樹(ともに楽天)ら「プレミア12」に出場したメンバーが外れた一方で、いわゆる“常連”選手たちが不在となったためにチャンスを迎えた選手もいる。
中でも注目を集めるのが、嬉しい侍ジャパン初選出となった3人。ヤクルトの秋吉亮と、追加招集でメンバー入りしたソフトバンクの森唯斗、巨人の戸根千明だ。
昨年11月に開催された「プレミア12」では、中継ぎを本職とする投手をあまり選出せず、ふだんは先発がメインの投手に中継ぎを任せるなどといった形で挑んだ小久保ジャパン。その結果、準決勝・韓国戦の9回、3点リードから一挙の4失点で逆転を許すという悪夢を見た。
日本の救世主候補!初選出の3人に期待
「中継ぎの不在」――。大会後に敗因として挙げられた課題の中心がそれだった。
それだけに、今回初選出となった3人というのは、まさしくそのウィークポイントを埋める大きなキーパーソンとなりそうだ。
ヤクルトの秋吉は、2013年のドラフト3位でヤクルトに入団した変則右腕。サイドハンドから投げ込まれる威力ある直球を武器に、ルーキーイヤーから61試合に登板。
2年目の昨季はさらにブルペンに欠かせない存在として輝きを放ち、球団記録の74試合登板を達成。6勝1敗、防御率2.86とフル回転でチームの14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
秋吉と同じく、今年で3年目を迎えるソフトバンク・森も、2年連続で50試合以上に登板する鉄腕。
1年目から即戦力として強力なチームのブルペンを支え続け、日本一連覇に貢献。闘志むき出しの投球スタイルは、小久保監督も「投げっぷりが良い」と期待を寄せている。
巨人の戸根は、今年で2年目の中継ぎ左腕。昨季は1年目から巨大戦力に割って入り、46試合に登板した。
173センチで93キロ、胸囲は115センチという体型から“和製サバシア”なる異名を持つ男は、貴重な中継ぎ左腕として1年目から存在感を示した。
実は、この強化試合で投手コーチを務める権藤博氏が巨人の沖縄キャンプを視察した際に、この2年目左腕を絶賛。「腕の振りや真っすぐに勢いがある」とその素材に惚れ込み、代表に推薦したという。
本人も「初めて日の丸を背負いますし、すごく高揚感がある」と意気込みは十分。“和製サバシア”の世界デビューに期待が高まる。
いよいよ来年の迫ったWBCへ向け、心新たに再出発する侍ジャパン。この強化試合では、初選出の3人の「中継ぎ専門職」たちに注目したい。
【侍ジャパンメンバー・投手】
11 菅野智之(巨人)
12 秋吉亮(ヤクルト)
19 増井浩俊(日本ハム)
21 西勇輝(オリックス)
22 大野雄大(中日)
24 山崎康晃(DeNA)
26 西野勇士(ロッテ)
29 小川泰弘(ヤクルト)
30 武田翔太(ソフトバンク)
38 森唯斗(ソフトバンク)
50 戸根千明(巨人)