パ・リーグ最年長投手
球界のレジェンド山本昌をはじめ、昨シーズンは40歳以上の選手の引退が相次いだ。
プロ野球選手のピークは20代後半から30歳ぐらいまでと言われるが、最近では選手寿命も延び、40歳を超えてもなお現役で活躍する選手が珍しくなくなってきた。斎藤隆のように、30代後半からメジャーに挑戦し、40歳を超えて日本に戻ってきてさらに活躍するという、ひと昔前では考えられないような経歴の選手が出てきたことで、選手自身も自身のキャリアへの考え方が変わってきているだろうし、見ている私たちも40代の選手を特別視する感覚がなくなってきていたように思う。
昨年オフの引退ラッシュとなり、気づけば昨年まで年齢ランキングで9位だった浜の番長ことDeNAの三浦大輔が42歳で球界最年長となった。2位は1歳差の41歳で中日の岩瀬仁紀だ。ベテラン選手が多いイメージのある中日だが、昨シーズンで山本昌、谷繁元信、和田一浩、小笠原道大が引退したため、岩瀬が球団唯一の40代選手となった形だ。
上位から2人セ・リーグの選手の選手が続くが、その次はというと、岩瀬と同じ1974年1生まれの、楽天のケニー・レイ投手がロッテの井口と並んでパ・リーグ最年長選手となる。
年長選手のランキングを見ると、まわりは在籍年数15年以上、20年以上の選手もたくさんいるなかで、2013年のシーズン途中に楽天に入団したレイは今年で3年目となる。
レイと聞いて、2013年日本シリーズでのバットマンのようなフェイスガードをつけて登板したシーンを思い出す方もいるかもしれないが、その年のオフに自由契約になり、2014年は台湾でプレーしていた。その年の秋にテスト生として楽天キャンプに参加し、2015年から再び楽天でプレーすることになったため、2013年入団だが今年で3年目となる。
高校卒業後、ドラフト18巡目でロイヤルズと契約して以来、マイナーでのプレーが大半ではあったが、1999年にはロイヤルズで、2006年にはブレーブスでそれぞれメジャー出場を果たし、その後も韓国、台湾、メキシコなど各国のリーグを渡り歩いてきたレイ。
プロ野球界という広い世界でいえば、三浦大輔の25年につづく23年目の大ベテランだ。プロ野球選手には色々なタイプいて、何が正解ということはないのだろうが、レイの経歴を見ていると、野球を仕事に選ぶということはこういう生き方なのかもしれないと納得してしまう。
楽天と再度契約し迎えた2015シーズンは、開幕から4戦4連勝という素晴らしいスタートを切り、二ケタ勝利も期待された。40歳を過ぎてから二ケタ勝利をあげた投手は、村田兆治、工藤公康、山本昌など球界を代表する投手の名前が並ぶため、この時もかなり注目されたが、その後失速。
6月からは中継ぎにまわり、そこでも結果が出せずに一軍定着もままならない状態で、8月には5連敗を喫する。投球内容のいい時にも勝ちに恵まれないという不運もあり、最終的に5勝7敗という結果だった。
助っ人外国人がなかなか定着しない楽天では昨年オフも5名の外国人選手が退団しているが、レイは年俸の低さも手伝ってか、ミコライオ、ウィーラーと共に残留となった。
開幕投手の則本昂大を筆頭に成長を期待せれる松井裕樹や安楽智大など、生え抜きの投手を育てながらチーム力を上げ、最下位からの脱出を図る楽天だが、長いシーズン中はなにが起こるかわからない。異色のベテラン助っ人が2013年日本シリーズの時のようにチームを救う場面が見られるかもしれない。