開幕3連戦では打線が機能
開幕前は暗い話題が多かった巨人だが、昨季リーグ制覇したヤクルトとの開幕3連戦に3連勝。新生“由伸”ジャイアンツは最高のスタートを切った。
打線に目を向けると、オープン戦チーム打率.222だったことが嘘のように機能した。オープン戦では主に1番立岡宗一郎、2番重信慎之介で“1、2番”を組んでいたが、ヤクルトとの開幕3連戦では、1番長野久義、2番立岡宗一郎を置くオーダーで臨んだ。長野は2試合連続本塁打を記録すれば、立岡は3試合連続安打をマークし、盗塁も2つ決めた。
クリーンアップも新助っ人では球団史上初となる開幕4番を務めたギャレットが、27日の試合で1点を追う8回に逆転2ランを放っている。3番の坂本は、8回の打席でライト前ヒットを放ち、ギャレットの逆転2ランをおぜん立て。この3連戦打点こそなかったものの、2試合連続でマルチ安打。得点もリーグトップの4を記録している。
ギャレットの後を打つクルーズも26日の試合で、移籍後初本塁打となる3ランを放つと、27日も2安打1打点の活躍。この3連戦を終えて、打率.600、1本塁打、4打点と勝負強さを発揮している。
オープン戦ではルーキーの重信が左翼を務める事が多かったが、開幕戦と2戦目は亀井善行が「6番・左翼」で起用された。亀井は指揮官の期待に応えるように、26日の試合では2本のタイムリーを放っている。
また、正捕手を目指す小林誠司も下位打線で存在感を見せた。開幕戦で2点タイムリー二塁打を記録すると、26日も3安打2打点と大暴れ。課題の打撃で結果を残した。
昨季は長野、坂本を筆頭に主力の打撃不振が目立ったが、この3試合では長野、坂本が復調し、新助っ人のギャレット、クルーズの2人が加わり打線に厚みが増した印象だ。
菅野、高木、田口の先発3本は安定
一方の投手陣は、開幕カードに先発した菅野智之、高木勇人、田口麗斗、3人ともに、QS(6回3自責点以内)を記録し、その役割を果たした。27日に先発した3年目の田口は、毎回のように走者を背負うも、粘りの投球で6回を山田哲人に打たれた本塁打による1点に抑えている。
開幕2カード目のDeNA戦は、昨季8勝を挙げたポレダ、ルーキーの桜井俊貴の2人が先発することが予想される。3戦目には、復活を目指す内海哲也が挙げられていたが、オープン戦で精彩を欠いたこともあり、菅野が中5日で先発することが濃厚だ。開幕3連戦は、先発の安定感が光ったが、4番手以降が手薄なところは少し気になるところ。
一方のリリーフ陣はというと、セットアッパーのマシソンが、2試合に登板したがいずれも失点。ただ、近年マシソンは、春先に打ち込まれているケースが多いが、夏場にかけて調子を上げる傾向が強い。不安ではあるが、そこまで心配することはないだろう。
また、マシソンとともに勝ちパターンで登板する山口鉄也と沢村拓一の2人は、2試合に登板して、いずれも無失点に抑えている。特に守護神の沢村は2試合とも三者凡退に抑え、完璧な投球を披露した。
ただ、先日行われたチャイニーズ・タイペイとの強化試合に日本代表選出された戸根千明は、今季初登板で3失点と、不安の残る投球内容となっている。
昨季リーグトップのチーム防御率2.78を記録した投手陣と、打線が噛み合えば、2年ぶりのリーグ優勝も見えてきそうだ。