開幕一軍スタートを切ったオコエ瑠偉
春季キャンプから一軍スタートとなり開幕一軍を予想されていたドラ1高卒ルーキートリオはどのように開幕を迎えただろうか。
開幕から一番話題に上っているのは、楽天のオコエ瑠偉。今季キャンプ一軍スタートとなった高卒3人、オコエ、平沢大河(ロッテ)、小笠原慎之介(中日)の中で、唯一開幕一軍をつかんだのがオコエだ。高校時代から注目されてきた走力と守備力を評価され、一軍スタートとなった。
しかし、ここまではスタメン出場には届かず、代走、守備での起用となっている。開幕戦では代走で初出場、2戦目も代走で出場し、延長10回で巡ってきた初打席で四球のあと初盗塁、3戦目は代打で初三振。今は何をしても「初」がつくこともあり、連日メディアで取り上げられ話題となっている。
今後は投手登録の兼ね合いや、実績を重視する傾向のある梨田監督の采配を考えると、このまま一軍に定着できるかどうかはまだわからない状態だ。注目されることをプラスにとらえてこの一年を過ごせるかが最大の課題になるかもしれない。
開幕を二軍で迎えた平沢と小笠原
一方、立浪以来の開幕スタメン高卒野手を期待されていたロッテの平沢大河は、オープン戦で12打数1安打と結果がでず、守備でも課題を残したため、二軍スタートとなった。
イースタンリーグでもここまで、試合出場は重ねているものの、打率2割代前半、出場7試合で失策2と、オープン戦での課題を克服できずにいる。数字だけ見ると、まだ一軍登録は見えてきていない状態だが、楽天の梨田監督とは対照的に、若手を積極的に使うことで才能を開花させてきた伊東監督の起用法によっては、何か一つきっかけがあればブレークする可能性はある。ルックスやキャラクター、スター性十分の平沢をチームの顔に育てることができるかどうか、ルーキーイヤーの経験が大きく影響することは間違いない。
昨年夏の甲子園優勝投手である中日小笠原慎之助。外れ1位指名ではあったが、契約では球団史上最高の条件提示、背番号も川上憲伸の11を受け継ぎ、チームの期待はかなり大きいと言える。オープン戦でも一軍で登板し、内容も悪いものではなかったため開幕一軍を噂されていたが、先発投手としてじっくり育てていくというチーム方針もあり、二軍スタートとなった。
監督を兼任していた谷繁、山本昌、小笠原道大、和田一浩などチームを支えてきたベテランが引退し、投手野手ともに世代交代の真っただ中にある中日だが、あせらずに若手を育てることでチームの底上げを狙う。
谷繁監督にしてみれば、自分の後継者となる正捕手の育成が早急の課題と言えるかもしれないが、ここ数年Bクラスに沈むチームが浮上するためには、投手力安定のための土台作りが必要となってくるだろう。
最近では、開幕投手をつとめた大野雄大や若松駿太など、若手投手の成長も進んできた。投手王国復活の時にエースとして小笠原が中心にいる。そんな青写真が描かれているのかもしれない。