リーグトップの3本塁打を記録する鈴木
5勝2敗で首位を走るロッテ。好調なチームを支えているのが、東洋大に在学していた4年間でリーグ優勝5回、全国制覇4回と、黄金時代の中心選手として活躍した同学年の鈴木大地と藤岡貴裕の2人だ。
鈴木は今季ドラフト1位ルーキーの平沢大河が加入し、紅白戦やオープン戦では本職の遊撃ではなく、二塁で出場することもあった。ただ、鈴木は昨季142試合に出場しており、簡単に高卒ルーキーに、遊撃のレギュラーを渡すわけにはいかない。オープン戦では打率.400を記録し、打撃で存在感を見せ、今季も開幕から遊撃のレギュラーとして出場する。
3月25日の日本ハムとの開幕戦で、大谷翔平からライトへ二塁打を放ち今季初安打を記録すると、同月29日の楽天戦では、「本当に家まで無事に帰れるか心配です」とパ・リーグ今季第1号を含む2本のアーチを描く活躍を見せた。4月1日のオリックス戦でも、セットアッパーの佐藤達也からライトスタンドに一発を放ち、昨季6本塁打だった男が、ここまでリーグトップの3本塁打を記録する。
本塁打だけでなく、安打が打てなくても四球を選び出塁するのも、今季の特徴だ。2日のオリックス戦では無安打に終わったが、3四死球を選んでいる。2日現在、6四球は12個の柳田悠岐(ソフトバンク)に次ぐ2位の記録。6番や7番と下位を任されることが多いが、貴重な働きを見せている。
リリーフで存在感を見せる藤岡
藤岡は11年ドラフト1位でプロ入りするも、先発では大学時代のような輝きを放つことができなかったが、昨季途中から転向したリリーフで才能が開花しようとしている。
プロ5年目で初めてリリーフで開幕一軍を迎えると、今季初登板となった3月26日の日本ハム戦で好投した。2点を追う5回からマウンドに上がると、2イニングを4奪三振、無失点。6回裏に打線が4点を奪い逆転に成功し、完璧なリリーフを見せた藤岡が、今季初白星を手にした。
また、最初の2試合はロングリリーフだったが、4月2日のオリックス戦では、2点リードの7回から登板。先頭の縞田拓弥を右飛、続く伊藤光を144キロのストレートで空振り三振に打ち取ると、最後はルーキーの吉田正尚を三飛に仕留め、わずか9球で1イニングをピシャリと抑えた。
セットアッパーの大谷智久が故障で離脱したが、ロングリリーフ、勝ちゲームと色々な場面で役割を全うする藤岡の存在は大きい。今季は鈴木、藤岡の“東洋大”同学年コンビで、多くの勝利をチームにもたらしたいところだ。