ニュース 2016.04.15. 10:00

カメラマン泣かせの投手 独特なフォームで打者を封じるソフトB・和田 

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5年ぶりに復帰したソフトバンクの和田毅
 ソフトバンク和田毅が日本球界復帰後、3戦目にしてようやく復帰初勝利を挙げた。日本での勝利は2011年以来、約5年ぶりの勝利となる。

 6回を投げ、123球で降板。まだ完ぺきの投球ではなかったが、随所で“らしさ”を発揮。奪った三振は6つと少ないものの、打者のタイミングそして読みを外す技巧派らしい投球術で強力西武打線を抑えた。和田の印象と言えば、多くの選手がこう語るであろう「球の出所が分からない」。テイクバックからリリースまでの動きが独特で、リリースの部分が見えづらいと言う。

 カメラマン泣かせの投手でもある。打者がそうであるように、リリースの瞬間の写真を狙うカメラマンも、和田のリリースの写真はなかなか撮影できないという。ほとんどの投手は数球撮影すればリリースの瞬間は撮影できるのだが、和田だけは“別格”。1イニング撮影しても撮影できないカメラマンもいるほど、そのリリースのタイミングが分かりづらいのだ。

 印象深い試合がある。2014年、約2年前、和田はシカゴ・カブス傘下3Aアイオワ・カブスでメジャー昇格を目指していた。アイオワ州にある本拠地プリンシバル・パーク。観客もまばらなこのスタジアムのマウンドに和田はいた。外野スタンドでは、若者たちが野球そっちのけで酒を飲み、バックネット裏では老人たちがトランプに講じている。そんな環境の中、和田はいつものように冷静に巧みな投球術で、同じくメジャーを目指す若手選手たちに凡打の山を積ませた。

 その後、和田は念願のメジャーデビューを果たすも、ケガもあり、このアイオワ・カブスとメジャーを行ったり来たり。結局和田のメジャー挑戦はわずか2年間で幕を閉じたが、その投球術に衰えはなく、ソフトバンクはじめ阪神、オリックス、ヤクルトが獲得に動いたほどだった。

 松坂世代と呼ばれる時代を生き抜いて来た。くしくも、その松坂と同じチームでプレーすることになった。一足先に和田が、復帰勝利となったが、松坂も黙ってはいないだろう。同じ時代を生き、そして同じ米国で苦しい思いをしてきた2人。和田の勝利が最も影響を与えている人物。それは松坂大輔だろう。次は松坂の番だ。

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