開幕から無傷の4連勝
ロッテのエース・涌井秀章が14日の楽天戦に先発。6回を7安打2失点に抑え、開幕4連勝を飾った。
今季ここまでの登板を振り返ると、開幕戦では昨年最多勝を分け合った日本ハム・大谷翔平との投げ合いがいきなり実現。7回を4安打無失点に抑えてシーズン初白星を挙げる。
続く4月1日のオリックス戦でも、毎回のように走者を背負う展開ながら7回を7安打3失点でまとめ、金子千尋とのエース対決に勝利。
4月7日のソフトバンク戦では、6回2/3を投げて被安打12、6失点と打ち込まれたものの、味方打線の大量援護に守られて3勝目。そして14日の楽天戦、この日も2回に中川大志のタイムリーで先制を許したものの、5回以降に打線が8点を奪って逆転勝利。
打線の援護に恵まれながら、開幕から無傷の4連勝という好スタートを切った。
“涌井と最多勝”にまつわるさまざまな記録
開幕からの4戦4勝となると、ロッテでは1981年の村田兆治(7戦7勝)、1993年の小宮山悟(6戦6勝)に次ぐ3人目。自身としては西武時代の07年以来で2度目のことになる。
2007年といえば、大黒柱の松坂大輔がメジャーに挑戦。そこでエースとして期待を受けた涌井は、3・4月に4連勝を飾るなど、月間4勝1敗、防御率2.31という好成績を残す。さらに5月も月間4勝を挙げ、6月には早くも2ケタ・10勝に到達。7月以降も勝利を重ね、最終的にはリーグ最多の17勝(10敗)で、タイトルを手にした。
ここまで無傷の4連勝は、両リーグを見渡しても涌井だけ。ハーラーダービーを牽引しており、少し気は早いが2年連続での最多勝獲得にも期待がかかる。
涌井は西武時代に2度(07年、09年)最多勝に輝いた経験を持っており、昨年に続いて今年も最多勝となれば通算4回目のタイトル。野茂英雄に並ぶパ・リーグタイ記録になる。
また、これまで2球団で最多勝を獲得したのは金田留広(東映、ロッテ)や、セス・グライシンガー(ヤクルト、巨人)、岩隈久志(近鉄、楽天)らがいたが、移籍した球団で2年連続最多勝を挙げた投手は出ていない。今年涌井がこのまま最多勝を獲ると、それも史上初の快挙となる。
なにかと“最多勝”には縁がある涌井。好調な出だしを見せたチームを支えるエースは、この勢いで勝ち星を伸ばしていくことができるだろうか。