本職ではない選手が守ることも…
2017年、第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)が開催される。日本は第1回大会、第2回大会で連覇をしたが、13年の第3回大会は準決勝で、プエルトリコに敗北。世界一の座を、ドミニカ共和国に奪われる屈辱を味わった。
WBCの過去3回の歴史を紐解くと、あるポジションに本職でない選手が着くという歴史が見られる。それは、「セカンド」だ。
06年の第1回大会は、西岡剛が主に二塁手についた。西岡は、前年の05年には、セカンド91試合、ショート63試合とポジションを兼務。セカンドでの出場試合の方が多かったが、06年以降ロッテ在籍の5年間は、全てショートでの出場であった。
09年の第2回大会は、主に岩村明憲(当時はレイズ)が守った。ヤクルトでは98年の一軍デビュー以降、三塁以外は03年に外野で15試合出場したのみ。メジャー1年目でデビルレイズに所属した07年に初めて二塁を1試合守った。08年からは二塁中心での出場であったが、もともと本職はサードである。
13年は、球界を代表するショートの鳥谷敬(阪神)が、坂本勇人(巨人)との兼ね合いもあり、セカンドを守った。
山田と菊池の激しい二塁手争い?
世界一奪還を目指す第4回年大会は、そのセカンドの候補に強力な本職2人が候補として挙がる。昨年トリプルスリーを達成した山田哲人(ヤクルト)と、菊池涼介(広島)だ。
山田は、昨年143試合全てをセカンドとして出場し、打率.329、38本塁打、34盗塁、本塁打と盗塁の二冠に輝く打撃と、失策9という安定した守備も魅力。チームのリーグ優勝の立役者となった。
菊池は、もともと「守備の職人」としての印象が強かったが、今年は28試合全てにセカンドとして出場し、打率.352、本塁打4本と成長を見せている。
「強打の名手」が、譲らぬ活躍を見せている16年シーズン。来年のWBCに向けて、侍ジャパン小久保監督にとっては、嬉しい悲鳴であろう。セカンドのポジションは一つしかない。山田と菊池。小久保監督は贅沢な悩みを抱えている。