リーグ1位の打率.385を記録する菊池
10勝6敗で阪神とともに首位に立つ広島。昨季の広島といえば、リーグ3位の506得点を挙げるも、得点圏打率はリーグワーストの.235と勝負所で1本が出なかった。勝てばCS進出が決まるという10月7日の中日戦でも、1安打であえなく完封負け。CS進出を逃してしまった。
しかし、今季は昨年の貧打が嘘のように打ちまくっている。チーム打率.283と得点85はともにリーグトップ。チーム得点圏打率もリーグ1位の.285を記録している。
好調な打線を支えているのは、菊池涼介と丸佳浩の“キクマル”コンビだろう。菊池と丸は14年にともに打率3割を記録するも、昨季は揃って不振。今季に懸ける思いは強い。
開幕から2番を打つ菊池は、現在打率.385とリーグトップの成績を残す。3月27日のDeNA戦から4月1日の巨人戦にかけては、5試合連続で複数安打をマーク。マルチ安打9回はリーグトップだ。
菊池が好調な理由の1つとして、右投手との対戦打率の向上が挙げられる。昨季は左投手に対しては打率.293(191打数56安打)を記録したものの、右投手相手では打率.235(371打数87安打)と苦戦。
それが今季、対右投手の打率は.444(36打数16安打)。苦しめられた右投手からヒットを重ねていることが、打率の上昇に繋がっている。
昨季は両膝の故障もあって不本意なシーズンに終わったが、今季は一味違う菊池を見せてくれそうだ。
丸はリーグ2位の15打点
丸は本塁打・打点ともに14年とほぼ変わらない数字を残したが、打率は14年の.310から.249と急降下。昨秋のキャンプでは打撃フォームの改造に取り組み、オフもほぼ無休で練習を行ってきた。
その成果が出ているのか、ここまで打率.318で3本塁打を記録。打点はゴメス(阪神)の19に次ぐリーグ2位の15打点。14日の中日戦では、1点を追う3回に逆転2ランを放つと、続く4回の第3打席でもタイムリーを放ち、今季2度目の1試合3打点も記録し、勝利に大きく貢献した。
さらに“キクマル”の活躍だけでなく、今年は1番の田中広輔から6番・新井貴浩まで打順を固定して戦えているのも大きなポイントになっている。
1番に入る田中は打率こそ.262も、出塁率は.377と高い数字を記録。“キクマル”のうしろ、4番に座るルナは勝負強い打撃が光り、4月6日のヤクルト戦から12日の中日戦にかけて5試合連続で打点を記録した。
さらに5番を打つエルドレッドは、本塁打の印象が強い中で.379というハイアベレージをマーク。新井も開幕から順調に安打を重ね、2000安打までは残り9本。エルドレッド、ルナと並ぶ10打点を挙げ、クリーンナップが残した走者をしっかりと返している。
昨季は1本が出ずに泣くことも多かった広島だが、今やリーグ屈指の強力打線を誇るチームへと変貌を遂げた。25年ぶりのリーグ制覇へ、今年は打線がチームを牽引する。