コラム

25年ぶりVへ!広島浮上のカギ握る上位打線の復調

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田中広輔(左)、菊池涼介(中)、丸佳浩(右)

助っ人の不振以上に響いた3人の成績低下


 12球団の中で、もっともリーグ優勝から遠ざかっている広島。昨季は黒田博樹がメジャーから復帰し、かつての主砲・新井貴浩も戻ってきたことで一気にリーグ優勝への期待が高まったが、終わってみれば4位とクライマックスシリーズ進出も逃してしまった。

 2014年にはブラッド・エルドレッドが37本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを獲得するなど打線の中心として引っ張った。それが昨季はケガの影響もあり、79試合の出場で19本塁打に留まってしまう。途中入団のネイト・シアーホルツを含め、4人の外国人野手が放った本塁打合計は34本。2014年にエルドレッドが一人で放った本数にも届かなかった。

 ただし、そんな外国人野手の不振以上に響いたのは、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の3人が揃って成績を落としたことではないだろうか。彼らの2014年と2015年の成績は以下は以下の通りだ。

<2014年>
・菊池涼介 打率.325 11本塁打 出塁率.352  
・丸 佳浩 打率.310 19本塁打 出塁率.419  
・田中広輔 打率.292  9本塁打 出塁率.348  

<2015年>
・菊池涼介 打率.254  8本塁打 出塁率.292  
・丸 佳浩 打率.249 19本塁打 出塁率.361  
・田中広輔 打率.274  8本塁打 出塁率.325  

 こうして見ると丸の本塁打数が変わっていないぐらいで、ほかの数字は軒並み落ちているのがよくわかる。


3人で約36点も得点を下げた計算に!?


 近年日本でも取り上げられつつあるセイバーメトリクスの指標に、個人の得点能力を表す「RC(Runs Created)」というものがある。その選手の活躍によってどれほどの得点が生まれたのかを表すもので、ざっくり言うと選手個人の得点能力を表す数字だ。

 2014年の菊池、丸、田中のRCを見てみると、3人の合計は約251(内訳:菊池93、丸113、田中45)となる。チームの総得点である649点のうち、約40%にあたる251点をこの3人が生み出したということだ。

 それが昨季は約215(菊池58、丸86、田中71)に落ちた。つまり、3人で約36点も下げた計算になる。

 RCは打席数が増えるほど数字も上がる指標であるのだが、田中の打席数は2014年が333打席だったのに対し、2015年は590打席。2014年と比べて田中のRCは上がっているが、打席数の増加を考慮すれば、その上り幅は少ないといえる。上位を任せる選手の成績がここまで下がってしまうと苦しい。

 チームは今年、中日からエクトル・ルナを獲得し、かつての本塁打王・エルドレッドも復調の気配を見せている。8日現在、田中は打率こそ.256だが、出塁率は.396と高い数値をキープ。菊池も打率.347、出塁率は.353となっており、丸は打率.298で出塁率が.365。3選手とも好調をキープしている。

 前田健太がメジャーへと移籍し、投手陣に若干の不安があるなか、打線にかかる期待は大きい。25年ぶりのリーグ優勝は、田中、菊池、丸の上位打線がどれだけ相手をかき回せるかにかかっている。


文=京都純典(みやこ・すみのり)
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