桑田氏も現役時代にトミージョン手術を受ける
レンジャーズのダルビッシュ有が現地時間1日(日本時間2日)、トミージョン手術後、初となる実戦のマウンドに上がった。2Aの試合で復帰を果たしたダルビッシュは、2回を投げ無安打、無失点に抑える投球を見せており、まもなくメジャーのマウンドに帰ってくることが予想される。
そこで、トミージョン手術を受けて復活した日本人投手を見ていきたい。元巨人の桑田真澄氏は27歳の時に同手術を受け、29歳の時に復帰している。桑田氏とダルビッシュの共通点といえば、高校時代から甲子園で活躍し、高校卒業してすぐに先発ローテーションに入ったこと。
桑田氏はプロ2年目の87年に先発ローテに定着。同年に15勝をマークし、防御率2.17で最優秀防御率のタイトルを獲得した。89年から90年代前半にかけて、斎藤雅樹氏、槙原寛己氏とともに『先発三本柱』を形成。先発の柱として、チームに欠かせない存在感を放っていた。
順調にプロ生活を送っていたが、95年6月15日の阪神戦で、三塁線の小フライを飛びついた際に右肘を強打。試合中は普通にマウンドに上がっていたが、その後の検査で右肘側副靭帯の断裂と分かり、トミージョン手術を受けた。
95年の残りのシーズンと、96年はリハビリのため一軍登板はなし。97年に復帰した。復帰1年目に10勝、翌98年も16勝と2年連続で二ケタ勝利をマーク。99年からの3年間は調子を落としたが、02年に防御率2.22を記録し、自身2度目となる最優秀防御率のタイトルに輝いた。
館山は3度トミージョン手術を受け復帰
現役投手でいえば、館山昌平が3度同手術を受けたが、復帰を果たしている。館山はプロ入り2年目の04年春にトミージョン手術を受け、同年はリハビリに費やした。05年4月に復帰し、4月27日の巨人戦でプロ初勝利を挙げるなど、この年10勝をマーク。08年からは5年連続で二ケタ勝利を達成し、左の石川雅規とともにチームを支えた。
しかし2013年、再び右肘が悲鳴をあげる。同年4月5日のDeNA戦で右肘の違和感を覚え途中降板すると、病院で検査を受けた結果、右肘靭帯の再断裂。2度目のトミージョン手術に踏み切った。復活を目指した14年は一軍キャンプに参加するなど順調に調整を進めていたが、4月5日に行われた巨人との二軍戦で、わずか1球で降板。同月中に自身3度目の同手術を受けた。
長いリハビリの末、15年6月28日の巨人戦で、814日ぶりに一軍登板。7月11日のDeNA戦では1019日ぶりに白星を手にした。その後も、先発ローテーションの一員として6勝をマーク。ヤクルトの14年ぶりリーグ優勝に大きく貢献した。
その他にも、田沢純一(レッドソックス)、五十嵐亮太(ソフトバンク)などもトミージョン手術から復帰し活躍している。ダルビッシュも、手術前よりも“パワーアップ”した姿をファンに見せたいところだ。