鷹の変則サウスポーに復活の兆し!
プロ野球も開幕からまもなく1カ月。チームにとっての「嬉しい誤算」と言えば、新戦力の活躍や若手の台頭などが主になるが、今年目立っているのが不調に苦しんでいた選手の“復活”。思うような働きができなかった選手たちが、鬱憤を晴らすような活躍を見せている。
たとえば、ソフトバンクの森福充彦はその一人。チームに欠かせない中継ぎ左腕としてフル回転の働きで、王者・ホークスを支えた功労者だ。
特に印象深いのが2011年に中日と争った日本シリーズの第4戦。1点リードで迎えた6回、無死満塁という絶体絶命のピンチで登場すると、プレッシャーのかかる中で見事3人斬りの無失点。のちに“森福の11球”と呼ばれる伝説を作った。
ところが、昨年は32試合の登板に留まり、連続50試合以上登板が4年でストップ。0勝2敗で防御率5.82と、一軍定着以降ではワーストとなる数字を記録。チームは日本一連覇を達成したものの、森福はクライマックスシリーズも含めたポストシーズンで登板なしに終わるという屈辱を味わう。
そんな悔しいシーズンから一転、今年は開幕から好リリーフを続けている。初登板は3月26日、敵地で行われた楽天戦。同点の延長10回二死一、二塁という一打サヨナラの場面だったが、左の伊志嶺をきっちり打ち取って期待に応える。
さらに4月19日のロッテ戦では、1点リードの8回二死満塁で登板。ここでは味方の好守にも助けられたが、難敵・角中勝也を二ゴロに打ち取っている。今季はここまで、6試合に登板して、4ホールド、防御率0.00。さらに、被安打と与四球は1つもなく、まさに復活の兆しを見せる。
どん底から這い上がったヒットマン
野手では、自由契約を乗り越えてヤクルトに加入した坂口智隆が当てはまりそうだ。
オリックス時代の11年には、175安打を放って最多安打のタイトルを獲得。しかし、近年は故障や不振で思うような活躍ができず。15年オフにチームを自由契約となった。
それでも、新天地のヤクルトでは開幕スタメン入りを果たすなど、ここまで21試合の出場で打率.326、11打点を記録。かつての定位置「1番・センター」を手中に収めた。
20日の阪神戦でも、2回に先制の2点タイムリーを放つと、4回にも貴重なタイムリーツーベースを放って3安打3打点の大暴れ。今やチームに欠かせない選手となった。
その他にも、残念ながら故障で離脱となってしまったが、楽天の岡島豪郎は開幕から1番打者として打線をけん引する働きを見せ、昨年どころか近年なかなかチャンスを掴めなかった西武の坂田も好調をキープ。投手でも、ヤクルトの村中恭兵や、阪神の榎田大樹など、各チームで“復活”を予感させる選手たちの存在感が光る。
悔しい思いを糧に、今年リベンジを期す男たちが熱い。