次代のミスター・オクトーバー候補も...
サンフランシスコで多くのファンに愛された“カンフー・パンダ”が、ボストンで大きな岐路に立たされている。
レッドソックスは現地時間5月3日(日本時間5月4日)、パブロ・サンドバルが左肩の手術を行ったことを発表。残りの2016年シーズンは全休となることを明らかにした。
2010年から2014年の5年間で3度の世界一に輝いたジャイアンツの主力として活躍し、2012年にはワールドシリーズMVPを獲得。ポストシーズンで無類の強さを誇ることから、次代のミスター・オクトーバーとの声も挙がった。
その愛くるしい見た目から“カンフー・パンダ”の愛称でも親しまれたサンドバルは、2014年のオフにレッドソックスへと移籍。5年9500万ドル(現在のレートで約101億円)という大型契約でボストンへとやってくる。
ところが、移籍後は厳しいことで知られるボストンのメディア、ファンから体重オーバーを指摘され、その度に“戦い”が勃発。2015年の6月には試合中にSNS「Instagram」で「いいね!」を押してしまったことから出場停止処分を受けるなど、かつての輝きは一気に失われていった。
野球人生の岐路
迎えた今シーズン、キャンプではまたしても体重オーバーを指摘された男は、オープン戦で打率.233と低迷。開幕戦のスタメンから外れるという屈辱を味わう。
そんなサンドバルが故障者リストに入ったのは開幕直後の現地時間4月13日のこと。しかもプレー時に痛めたのではなく、“寝ちがえ”によって負傷したということが明らかとなると、これまで以上に批判の矢面に立たされた。
手術を行ったことで、巻き返しを期すはずだったサンドバルの2016年シーズンは幕を閉じた。FAでやってきた5年契約の男は、2年目の春にして早くも“不良債権”との烙印を押されてしまった。
輝きを取り戻し、信頼を取り戻すためには、自らの力で結果を残すしかない。幸いにもまだ29歳と若く、復活のチャンスは残されている。
長い休みが、頭を冷やす良いキッカケになるという声もある。この間にまずは自らの考えを改め、生活を改めること。耳にタコができるほど言われた体重管理を徹底し、野球に取り組んでいくことが復活への第一歩となる。
野球人生の大きな岐路に立たされたサンドバル。“カンフー・パンダ”は復活することができるのか…。ここから新たな戦いがはじまる。