100円が50万円に!?サッカー界で実現した「夢物語」
サッカーのイングランド・プレミアリーグで“大事件”が起こった。
15/16シーズンを制したのは、レスター・シティFCというクラブ。日本代表FW・岡崎慎司が所属していることで馴染みのあるチームが、プレミアリーグ初優勝を成し遂げた。
そんなレスター、開幕前の評判といえば、「優勝などするはずない。プレミアに残留できればいい」というのが大方の見立てだった。
事実、イギリス国内での優勝オッズは「5000倍」。遊びでも100円を賭けておけば、50万円が返ってくるという計算。ちなみに、記憶に新しい2015年のラグビーワールドカップでの日本の優勝オッズでさえ「1001倍」だったことを考えても、この5000倍というのはとてつもない倍率だったことが分かる。
言い方を変えれば、「まず実現しない」ということに他ならない。そんな「夢物語」を、レスターというチームは成し遂げてしまったのだ。
メジャーの優勝オッズは?
さて、そんな中でアメリカ・メジャーリーグでも“優勝オッズ”が話題になっている。
2016年のワールドシリーズ優勝オッズで、もっとも優勝オッズが低い…つまり優勝しそうなチームは、シカゴ・カブス。倍率は5.50倍となっている。
それに続くのが、ワシントン・ナショナルズで11.00倍。次いでボストン・レッドソックスとロサンゼルス・ドジャースが13.00倍。イチローが在籍しているマイアミ・マーリンズは、67.0倍となっている。
ちなみに、もっとも期待できないチームはアトランタ・ブレーブス。それでも501.0倍だから、レスターの10分の1程度なのだ。
オッズ通り、独走状態のカブス
話を上位に戻そう。確かに今シーズンのカブスは絶好調だ。
現地時間5月5日のパイレーツ戦に6-2で勝利。両リーグ最速で20勝に到達した。
ここまで22勝6敗、勝率は.786という開幕ダッシュを決め、早くも2位のパイレーツとは7ゲーム差を。独走状態となった。
カブス好調の理由は、補強の大成功にある。まずはベテランのジョン・ラッキー。37歳の右腕は昨年、ライバルチームであるセントルイス・カージナルスで13勝10敗、防御率2.77という好成績をマークしたが、今年も年齢の衰えをまったく感じさせないパワフルな投球を披露。ここまで6試合に登板し、4勝を挙げている。
さらに、昨シーズン22勝を挙げてサイヤング賞を受賞したジェーク・アリエッタに、左腕のジョン・レスターを加えた先発3本柱は、メジャーでも屈指の陣容だ。
今年こそ「呪い」を振り払えるか…
カブスというチームは、1908年にワールドシリーズを制覇して以来、実に107年も世界一になっていない。
これは、俗に言う「ヤギの呪い(ビリー・ゴートの呪い)」の影響だと、シカゴのファンたちは信じている。1945年のワールドシリーズ、2勝1敗で迎えた第4戦。カブスの大ファンだったビリー氏が、飼っていたヤギのマーフィー君とともにカブスの本拠地リグレー・フィールドに来場した。
ビリー氏はいつも観戦にヤギを連れており、この日もいつもと変わらぬスタイルでの観戦ではあったのだが、この日はヤギの臭いが強烈だったという理由から、入場を拒否されてしまう。
これに怒ったビリー氏は「二度とこの球場でワールドシリーズがプレーされることはないだろう」と啖呵を切って球場を後にしたという。
すると、そのシリーズでカブスは敗退。その後、カブスは一度もワールドシリーズを制覇できていないのだ。
最強チームは、今年こそ「ヤギの呪い」の振り払い、世界一となれるのか。オッズ上ではそれが可能という結果が出ているが、果たして…。