敬遠に球場は大ブーイング
現地時間5月5日、本拠地で行われたダイヤモンドバックス戦で途中出場したマーリンズのイチロー。舞台は4-0と4点リードの8回、二死二塁という場面。“レジェンド”の登場に球場は大いに沸いたが、歓声はすぐさまブーイングに変わった。
ダイヤモンドバックスの捕手・カスティーヨが立ち上がったのだ。敬遠の四球。イチローは一塁へと歩き、そのまま守備には就かず途中交代。立っているだけ、でこの日の仕事は終了となった。
なんともモヤモヤの残る結果に終わったが、この敬遠によってイチローは16年連続の“故意四球”を記録。メジャーデビューを果たした2001年から、毎年積み重ねてきた故意四球の数は180個目に到達した。
安打、盗塁よりも上!メジャーで歴代26位という偉業
現役ではアルバート・プホルス(エンゼルス/297個)、ミゲル・カブレラ(タイガース/207個)、デービッド・オルティス(レッドソックス/196個)に次ぐ4位の大記録。
現役に限らずとも、メジャー歴代で26位にランクインする記録であり、これは通算安打(2947本)の32位や、通算盗塁(500個)の38位をも上回る。
さらにこの故意四球がちょうどメジャー通算600個目の四球だったイチロー。つまりイチローがメジャーで選んできた四球のうち、3割は故意に“避けられた”ものであるというわけだ。
ちなみに現役1位のプホルスは1177個中の297個で25%、カブレラは948個中の207個で22%ほど。単純に比較することはできないとはいえ、イチローの“故意四球”の多さを感じていただけるのではないだろうか。
日本でもわずか9年間で歴代13位にランクイン!
実は日本の“故意四球”ランキングにも顔を出すイチロー。1992年から2000年までの9年間で98個もの故意四球を記録し、現在阪神の監督を務めている金本知憲氏と並んで歴代13位タイにランクインしている。
驚異的なのが、その期間の短さである。同じ98個の故意四球を記録した金本は、1992年から2012年までの21年間/2578試合に出場して記録したもの。これをイチローは半分以下の9年/951試合で記録しているのだ。
ちなみに、故意四球の歴代1位は王貞治氏で、その数ダントツの427個。日本時代のイチローがそのままのペースで王さんと同じ2831試合に出場したと仮定した時でも、その数は291個止まり。歴代2位の張本勲氏(228個)を超すに留まるというから、王さんの記録はとてつもない。
なお、日米通算では3328試合で278個の故意四球を記録。日本で見ると歴代2位に入り、メジャーでも現役トップのプホルスに大きく迫る数字でなる。
今回の“一件”により、またしてもイチローの偉大さに気付かされた。