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“スモールベースボール”は古い? 極端に減少したセの犠打数

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ヤクルトの川端慎吾

セの犠打トップは小林誠司の7


 盗塁やバントなどを重視する野球のことを“スモールベースボール”と呼ばれている。日本の野球といえば、第1回大会のWBCを制覇したときに、盗塁やバントを多用し“スモールベースボール”を世界に知らしめた。
 
 ただ、今年のセ・リーグを見てみると、バントが極端に少ない。チーム別では37犠打の中日が最多で、6球団合わせても181犠打だ。昨年の5月24日の試合終了時点の成績を見ると、DeNAの55犠打が最高で、リーグワーストが阪神の36犠打。いかに犠打の数が減っているかがわかる。リーグ全体の犠打数も昨季(5月24日終了時点)が265、2014年が214、2013年が235、2012年が241と、最近5年間では今季が最も少ない。

 個人を見ても、現在トップは小林誠司(巨人)の7犠打。2012年以降(5月24日終了時点)では、最も少ない数字。特に今年は犠打数が極端に少ないことで、投手のモスコーソ(DeNA)も6犠打で2位につけるほどだ。さらに、24日の巨人戦で完封勝利を収めたジョンソン(広島)も5犠打で8位と、10位以内に投手が2人もランクインしている。


攻撃的な2番が多いことが犠打数減少の原因?


 セ・リーグ全体で犠打数が減っているが、その理由の1つに“攻撃的な2番”を置いていることが挙げられる。

 ヤクルトの真中満監督は、初回から送りバントではなく、ヒットでランナーを進塁させる狙いで、川端慎吾(ヤクルト)を2番に置く。

 首位打者に輝いた川端は昨季、シーズン後半から2番で出場したが、犠打数はわずかに2つ。川端を2番に配置できたことで、攻撃力が上がり、3番の山田哲人が本塁打王、4番の畠山和洋が打点王のタイトルを獲得し、チームも14年ぶりにリーグ優勝を果たした。そして、今季は開幕から2番で出場しているが、犠打を記録していない。

 また、ヤクルトだけでなく、阪神の金本知憲監督、DeNAのラミレス監督も、簡単にバントで走者を進めない攻撃スタイルだ。それを象徴するように阪神の大和は、この時期13年が15犠打、14年が20犠打と二ケタを記録していたが、今季はここまで5つ。チームトップではあるが、ここ数年に比べると犠打がかなり減少している。

 さらに、昨季リーグ最多の50犠打を記録した菊池涼介(広島)も、開幕から打撃好調ということもあり、ヒットでチャンスを拡大するケースが多い。そういったことも関係しているのか3番の丸佳浩はリーグトップの38打点、4番の新井貴浩もリーグ2位の37打点をマークしている。

 ちなみにパ・リーグはというと、1位の中島卓也(日本ハム)が19犠打を記録しており、例年と変わらない。セ・リーグで、減少している送りバントの数が、今後増えていくのか。このまま各球団攻撃的なスタイルを貫くのか注目だ。


5月24日終了時点の犠打ランキング


・2012年
1位 14犠打 東出輝裕(広島)
2位 8犠打 荒木雅博(中日)、大島洋平(中日)、柴田講平(阪神)

・2013年
1位 17犠打 内村賢介(DeNA)
2位 15犠打 大和(阪神)
3位 10犠打 梵英心(広島)

・2014年
1位 20犠打 大和(阪神)
2位 18犠打 菊池涼介(広島)
3位 12犠打 荒木雅博(中日)

・2015年
1位 19犠打 菊池涼介(広島)
2位 17犠打 片岡治大(巨人)
3位 14犠打 亀沢恭平(中日)

・2016年
1位 7犠打 小林誠司(巨人)
2位 6犠打 菊池涼介(広島)、堂上直倫(中日)、荒木雅博(中日)、立岡宗一郎(巨人)、中村悠平(ヤクルト)、モスコーソ(DeNA)

※()は当時所属球団
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