昨季安定した先発陣も、故障や不調で…
プロ野球が開幕して2カ月。40試合以上を戦い、各球団の戦力が見えてきた。V奪回を目指す今季の巨人は、投手陣が際立つ。
まず、昨季のローテーション投手を確認しておくと、菅野智之、高木勇人、ポレダ、マイコラスの4人が規定投球回数をクリア。4人の昨季成績は、菅野が10勝11敗、防御率1.91、高木が9勝10敗、防御率3.19、ポレダが8勝8敗、防御率2.94、マイコラスが13勝3敗、防御率1.92。堂々たる成績だ。
ただこのうち、今季もローテーションを務めているのは、菅野と高木だけなのだ。ポレダは不調で、負傷治療のため一時米国へ帰国することが発表された。マイコラスは右肩痛から復調気配だが、もう少し時間がかかる。
ベテラン勢を見ても、内海は一軍登板を果たしたが、内容は今一つ。杉内俊哉は股関節手術からリハビリし、後半戦から復帰予定。大竹寛も調子が上がらない…。主戦投手がこれだけ不調なのに、上位にいる。
もっと言えば、即戦力として期待が高かったルーキー・桜井俊貴投手は1試合に登板したが、故障で二軍落ち。
若手2人が台頭
苦しい台所事情の中、現在の先発ローテーションは、菅野、高木、今村信貴、田口麗斗の4人が務めている。
菅野は今季ここまで、9試合に登板して、4勝0敗、防御率0.61と抜群の安定感を誇る。特に4月は4試合に登板して、1失点したが、自責は0。防御率は驚異の0.00を記録した。
高木はコントロールが定まらず不安定な部分もあるが、それでも最低限の役割は果たしている。21歳の田口は昨季は3勝5敗だったが、4月27日の阪神戦で完投勝利を挙げるなど、今季は完全に独り立ちした。同じく22歳の左腕・今村も、安定したピッチングを披露しており、首脳陣の信頼を勝ち取った。
菅野以外は、発展途上の選手。ベテランたちが故障や不調で苦しむ中、若手投手たちの活躍が、今の巨人を支えている。