オールスターファン投票選出は0人も...
各チームが70試合前後を消化し、いよいよシーズンも折り返し。パ・リーグの最大のテーマといえば、「STOP the ホークス」であった。
序盤こそつまずきかけたものの、一度勢いに乗ったチームは止まらない。交流戦も2年連続で最高勝率に輝き、前評判通りの突出した強さを見せている。
投手では、ハーラーダービートップの9勝を挙げている和田毅に、昨年13勝を挙げた勝ち頭の武田翔太のベテラン左腕と若き右腕が2本柱。不敗神話を作ったバンデンハークが離脱を強いられながらも、千賀滉大や東浜巨ら若手の台頭によって変わらぬ安定感を誇っている。
打線でも、内川聖一や柳田悠岐が打撃十傑の中に入る働きでチームを支え、松田宣浩や長谷川勇也、中村晃といった主力打者たちも健在。そこに交流戦で大ブレイクした城所龍磨や、打撃開眼の気配を見せる今宮健太が加わり、より厚みが増した。
27日に発表されたオールスターファン投票の最終結果でも、12球団最多の5人が選ばれるまさにスター集団。そんなソフトバンクに次ぐリーグ2位につけているにもかかわらず、オールスターファン投票で1人も選出されなかったのがロッテである。
ソフトバンクの脅威となるか
27日から始まった首位攻防の直接対決。ゲーム差がゲーム差だけに“攻防”感は薄いものの、相手エースの武田翔太から3回までに6点を挙げるなど、9-6で打ち合いを制した。
ここまでのロッテのチーム成績を見てみると、防御率はリーグ3位の3.50。奪三振数428個はリーグ6位で、完投数もリーグ最少の1。数字だけ見ると、寂しい印象も受ける。
しかし、これらの数字の裏に、安定して勝利を積み重ねる要因となる数字がある。それが「四球の数」と「無四球試合の数」だ。
四球の数は207個で、リーグ2番目に少ない数字。無四球試合に至っては、2位と大差をつける10試合記録している。加えてリリーフ陣の奮闘も光り、ホールド数54個とセーブ数21個はともにリーグ2位。派手さこそないものの、堅実に白星を拾う戦いができているというわけなのだ。
野手陣の方も、似たような現象が起こる。チーム打率.264と本塁打50はともにリーグ4位となっているものの、安打数654はリーグ2位で、二塁打数125は断トツ。犠牲フライもリーグ2位の22個と、ここぞのチャンスをしっかり得点に結びつけている。そこ結果が、リーグトップの346得点にも繋がっている。
チーム本塁打数はソフトバンクより18本少ない60本。それでも、得点ではロッテが上。逆転勝ちの多さから“逆転のロッテ”の異名も徐々に広まりつつあり、後半戦ソフトバンクの脅威となる可能性は十分にあるだろう。
セ・リーグの方では、広島が22年ぶりの10連勝などで2位に9ゲーム差をつけて独走状態に入りつつあるが、パ・リーグはソフトバンクが勝ち進みながらもロッテも粘り、ゲーム差は6.5となっている。
まだパの灯火は消させない……。堅実な戦いぶりが光るロッテが、王者に食らいつく。