ニュース 2016.07.06. 06:30

【高校野球】甲子園一番乗りをかけた戦い!群雄割拠の沖縄を勝ち抜くのは…

群雄割拠の沖縄大会


 8月7日に開幕する第98回全国高校野球選手権大会。聖地・甲子園を目指した熱き戦いが、全国各地ではじまっている。

 最も早く夏の幕開けを迎えるのが沖縄県。今年も6月18日に開幕。7月3日には2回戦の8試合が行われ、いよいよ佳境にさしかかってきた。

 シード校は4校で、春の県大会を制した糸満や甲子園出場歴のある豊見城に沖縄尚学、そして37年ぶり2度目の夏・甲子園出場を目指す美来工科。春の実績からこの4校にシードが割り当てられたのだが、さっそく波乱が起こっている。

 7月2日の2回戦で美来工科が前原に2-5で敗れると、同日には糸満が八重山商工に2-3で敗戦。2回戦ではやくもシード校2校が姿を消してしまったのだ。

 残る豊見城と沖縄尚学は2回戦を突破したものの、春の優勝校の早すぎる敗退に沖縄の高校野球のレベルの高さを感じる。


興南フィーバーをもう一度


 プロ注目の投手も、もちろんいる。興南のエース左腕・比屋根雅也だ。

 昨夏は甲子園にも出場し、準々決勝で関東一と対戦。同点の9回、オコエ瑠偉(現楽天)に2ランを被弾して敗れたが、2年生エースの快投に聖地が沸いた。

 今夏はノーシードだが、昨春の県大会決勝・宮古戦では10者連続を含む13奪三振の快投。キレのあるストレートと高速スライダーを投げ分け、打者の手元で伸びるボールはスピード以上に打ちづらい。

 
 沖縄県勢の甲子園制覇といえば、春夏通じて4度。夏は1度だけで、それが2010年の興南だった。

 その年、興南は春夏連覇を達成。そのときのエースが、“トルネード投法”で一躍脚光を浴びた島袋洋奨だ。興南から中央大へと進学した後、2015年にソフトバンクへと入団。巨大戦力の中、1年目から一軍で2試合に登板を果たしている。

 比屋根に対し、興南のヒーローである島袋を重ねる見方も多い。あるプロの在京スカウトは「同じ左腕だし、島袋を彷彿させる」と好評価を与え、ドラフト候補であることも認めた。ただし、まだまだ発展途上にあり、現状では「今後の成長を見てみないと……」という意見が多い。6年前の再現をねらう興南には是非とも注目してもらいたい。


隠し玉候補の“二刀流”


 また、沖縄で熱い注目を浴びた選手がもう一人いた。石川高のタイシンガー・ブランドン大河である。

 アメリカ人の父と日本人の母をもつ、高い身体能力がウリの投手兼内野手。投げては最速147キロの剛腕で、打っても高校通算18本塁打のパワーを兼ね備えている。

 今夏は1回戦で美里工に2-5で敗れたものの、そのポテンシャルの高さから“金の卵”として期待は高い。秋のドラフトでは隠し玉候補にあがる可能性もあるだけに、今後の動向に注目が集まる。

 実力伯仲の県大会を勝ち抜くのはどこか。注目ポイントの多い沖縄から目が離せない。
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