ニュース 2014.08.28. 17:53

“投手王国”と言われた中日投手陣はどこへ

 8月27日のDeNA戦で敗れた中日は5位に転落した。7月終了時点では3位・広島に1.5ゲーム差に迫り、首位・巨人とも5ゲーム差とクライマックスシリーズ、リーグ制覇を狙える位置につけていた。勝ちを知っている選手が多いチームだけに、8月以降は上位3チームを脅かす存在として、ペナントレースを盛り上げていく…と思われたが、8月に入ると6カード連続でカード初戦を落とすなど、ここまで7勝16敗と大きく負け越し、月間最下位に低迷している。

 その原因として、投手陣に故障者が続出していることが挙げられる。岩瀬仁紀が9日に左肘を痛め、出場登録抹消された。二軍で軽めのキャッチボールを再開しているが、一軍復帰のメドは立っていない。26日のDeNA戦で先発した浜田達郎も左肘を痛め、1回途中で降板。翌日に左肘内側側副靭帯損傷と診断され、今季中の復帰が難しくなった。

 さらに、右肘痛で一軍登録を抹消されたエース・吉見一起。故障から戻るも不調で二軍降格された浅尾拓也などの主力投手も不在で、その穴を埋める存在もなかなか出てこない。

 先発陣は9勝を挙げている山井大介、5勝の雄太らベテランが踏ん張ってはいるが、4番手、5番手候補として、伊藤準規、小川龍也、岩田慎司らにチャンスを与えたが、期待に見合う活躍には至らなかった。さらに、6勝を挙げエース候補として期待された大野雄大も、7月までは6勝4敗、防御率2.53と安定していたが、8月は0勝3敗、防御率6.48と精彩を欠き、低迷の要因となっている。

 リリーフでは、リーグ2位の29ホールドを挙げている福谷浩司。50試合に登板し、8勝を挙げている又吉克樹らが奮投しているが、経験のある浅尾、岩瀬の不在に先発陣の駒不足も重なり、彼らの負担が増えつつある。

 先発、中継ぎともに台所事情が苦しい今の中日に、“投手王国”と言われた頃の面影はない。まだ3位が狙えるこの状況をどう打破するのか。谷繁元信選手兼任監督をはじめ、中日首脳陣の手腕が改めて問われる。

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