昨年は田中のWC出場のみ
日本時間16日(現地15日)、メジャーリーグの後半戦が再開される。前半戦は韓国人野手の活躍に押され気味だった日本人選手だが、それでも前田健太(ドジャース)や田中将大(ヤンキース)など、投手陣の良質ぶりが光った。さらに今季は、日本人選手が所属するチームは前半戦を勝率5割以上でターン。プレーオフでも日本人同士の戦いが見られるかもしれない。
日本人が所属するチームで前半戦に最も好調だったのが、ダルビッシュ有が所属するレンジャーズ。勝率.600はア・リーグトップで、同じ西地区2位のアストロズに5.5ゲーム差をつけている。
ダルビッシュ自身は右肘手術から復帰し2連勝を飾ったが、今度は右肩の違和感を訴え故障者リストに入り。その後、患部の回復具合は順調で、後半戦第2戦となる日本時間17日(同16日)のカブス戦で再び復帰マウンドに上がる。
岩隈久志、青木宣親が所属するマリナーズは、前半戦を45勝44敗で終え現在ア・リーグ西地区の3位。首位レンジャーズとは8.5差だが、今年のア・リーグは混戦模様。各地区2位の最上位は、上原浩治、田沢純一が所属する東地区のレッドソックスで、マリナーズとの差は5ゲーム差。田中が所属するヤンキースも4位ながら勝率5割を保っており、まだまだ上位を狙える位置にいる。
ナ・リーグでは、イチロー所属のマーリンズが47勝41敗の2位と大健闘。前半戦終了時点ではワイルドカード(WC)2枠に入る位置につけており、13年ぶりのプレーオフを見据え、パドレスから抑え投手のロドニーを獲得した。
前田が所属するドジャースは、51勝40敗で西地区2位。こちらも現時点でWC圏内にいるが、首位ジャイアンツとは6.5ゲーム差。後半戦はライバルとの差をどこまで詰められるか注目だ。
川崎宗則が所属するカブスは中地区首位を独走。ア・リーグ中地区のインディアンスも首位を独走しており、こちらには村田透が所属している。9月以降はベンチ入り枠が広がるため、彼らにはこれからの巻き返しに期待したい。
メジャー全体で本塁打数が激増 田中の防御率は最多勝より上!?
個人記録では、メジャー3000安打へ残り10本としているイチローに注目が集まる。前半戦は打率.335、出塁率.412をマークし、完全復調を印象づけた。主砲・スタントンが調子を上げてきているが、それでも偉業達成は時間の問題だ。
投手陣ではマリナーズの岩隈が、日本人トップの9勝を挙げている。今季メジャーでは、1試合平均の本塁打数が昨季の1.90本から2.32本へ増加。岩隈自身もすでに昨季と並ぶ18本塁打を浴び防御率は4.25と振るわないが、そのぶん今季は打線の援護を得ており、勝利数もすでに昨年に並んでいる。
ヤンキースの田中もすでに10本塁打を浴び、前半戦終了時点で6勝2敗、防御率3.23の成績。だが、防御率自体はリーグ全体で8位。これは14勝でア・リーグ勝利数1位のセール(ホワイトソックス)の3.38を上回る数字だ。
一発に苦しんでいるのはレッドソックスの上原も同じ。前半戦だけで8本塁打を許し、防御率4.81と精彩を欠いた。ただし、今季の打高投低の傾向を見れば、ベテラン右腕の不調も致し方ないと言える。現地では本塁打激増により、再び“ドーピング疑惑”が持ち上がっている。
その中で、前半戦を8勝6敗、防御率2.95で終えたドジャースの前田は大健闘と言える。こちらも防御率ランキングは現在ナ・リーグ12位。下にはカブスのレスター(3.01)、ナショナルズのシャーザー(3.03)ら、メジャーを代表する好投手たちの名前が並ぶ。
繰り返しになるが、今季のメジャーは打高投低の傾向にある。前田が仮にこの成績を維持できれば、新人王を獲得する可能性は十分にある。