再びメジャーで輝くために...
夏のビッグイベント「オールスターゲーム」が終了し、後半戦のはじまりを待っているメジャーリーグ。年に一度のお祭りの裏で、メジャー再昇格を目指して戦っている男がいる。マリナーズの青木宣親だ。
6月下旬にマイナーに降格も、3Aでは11試合に出場してマルチ安打を4度記録。打率.333、出塁率.431と結果を残している。
前半戦を終えて、青木のメジャーでの成績は次の通りだ。
【2016年・青木宣親】
67試合 打率.245 本塁打1 打点11 盗塁4 出塁率.323
不動の1番打者として活躍を期待されたが、マイナー落ちも当然といった数字が並ぶ。昨季の2度にわたる脳震とうの影響も少なからずあると思われるが、青木は今季再びメジャーで輝けるのだろうか……。
2年前は不調を覆す大暴れ!
実は2年前のロイヤルズ時代も、この時期にどん底を味わったことがあった。以下が2014年のオールスター前の青木の成績である。
【2014年・青木宣親】
71試合 打率.260 本塁打0 打点14 盗塁7 出塁率.328
今季と比べると幾分かはましだが、それほど大きな差はない。オールスター直後には打率を.255まで落としたが、その後は徐々に復調。9月には月間打率.379を残し、チームの快進撃を支えることとなる。
その年のロイヤルズと今季のマリナーズのオールスター前後のチーム成績を見ておこう。
【2014年・ロイヤルズ】
オールスター前:48勝46敗
オールスター後:41勝27敗
【2016年・マリナーズ】
オールスター前:45勝44敗
オールスター後:???
2014年のロイヤルズは、後半戦で青木の復調と比例するように勝利を積み重ね、29年ぶりのプレーオフ、そしてワールドシリーズ出場を果たしている。青木はシーズン終盤の活躍により、前半戦不調の汚名を見事に返上した。
2年前の再現を...!!
しかし、今季の青木が2年前の再現を果たすには、「メジャー再昇格」という壁が立ちはだかる。2年前もマイナー落ちはあったが、あくまでもケガによるものだった。今回はオールスターが明けても、即昇格するという保証はない。
マイナーである程度の数字を残せば、いずれチャンスは与えられるだろう。ただし、それほど多くの猶予(打席)はない。2年前のように信頼を取り戻すためには、早い段階での“結果”が求められる。
チームは現在、ア・リーグ西地区の3位。首位のレンジャーズとは8.5ゲーム差につける。
ワイルドカードも狙える位置にいるが、争いは熾烈。2014年終盤のロイヤルズ並みに白星を積み重ねる必要があるだろう。
エースのフェリックス・ヘルナンデスがいよいよ来週、メジャーに復帰する見込みとなっており、2001年以来のプレーオフへ態勢は整いつつある。
2年前と同じように、青木はチームの快進撃を支える最後のピースになれるのだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)