ニュース 2016.07.16. 10:00

高校時代は千葉No.1の評価も、大学で指名漏れ…JEF東日本を支える“小さな巨人”

JFE東日本の注目投手


 7月15日に開幕した「第87回都市対抗野球」。今年も黒獅子旗を巡る熱き戦いがはじまった。

 このあと行われる2日目の第1試合に登場するのが、南関東地区の第3代表として出場するJFE東日本(千葉市)だ。

 「JEF東日本」という名前ではピンとこない人でも、「川崎製鉄」と聞けば分かる人も多いのではないだろうか。もう引退してしまったが、2000年のドラフト1位で阪神に入団した藤田太陽や、現楽天の後藤光尊らを輩出したチームである。

 正式名称は、「JFEスチール東日本製鉄所」。現社名に変更されたのは2003年のこと。社名変更後も、DeNAの須田幸太や阪神・田面巧二郎など、プロ野球の世界へと選手を送り込んでいる。


かつての“千葉No.1右腕”


 今年のチームの注目は、長友昭憲という投手。23歳の右腕だ。

 172センチで90キロと小柄ながらガッチリした体型が特徴的。小柄ながらストレートの最速は154キロを誇り、そこにカットボール、カーブ、スライダーなどを兼ね備えた本格派である。

 実は、高校時代から注目を浴びていた長友。千葉県・東海大望洋高で頭角を現したのは、2年秋の県大会のこと。習志野、木更津総合といった実力校に投げ勝ち、チームを県の準優勝へと導くと、“千葉県No.1投手”との声も挙がった。

 3年春にはセンバツに出場。夏は注目右腕・中川諒を擁する成田高に県大会決勝で敗れ、2季連続の甲子園出場とはならず。進路に注目が集まったが、最終的には進学を選び、東海大学へ入学する。

 大学時代は主にリリーフとして活躍。3年時には自己最速となる154キロを叩き出すなど、リーグ戦通算で30試合に登板し、防御率0.72と安定感抜群の投球を披露。しかし、プロからの声はかからず。右腕は社会人・JFE東日本へと進むことになる。


野球界にも“長友フィーバー”を...


 男を変えたのが、大学に入学してすぐの“ある出会い”。その人物こそ、現在巨人のエースとして君臨している菅野智之である。

 長友が1年の時、菅野は4年生。3学年上というと雲の上の存在的なところはあるが、そんな生きたお手本から様々なものを吸収していく。

 今では武器のひとつとなっているカットボールも、菅野に教えを請うたものなのだという。とにかく強い腕の振りから繰り出される直球に、手元で鋭く動くカットボール。憧れの先輩から教わった武器は、好投を支える“魔球”となっている。


 2016年の上半期、長友といえば“アモーレ”――。サッカー日本代表の長友佑都が、女優の平愛梨さんとの交際を明らかにした際に「僕のアモーレ(愛する人)です」と言った言葉が日本中を席巻した。

 あの長友とこちらの長友は直接的な関係はないのだが、同じ名字を持つものとしてこの良い流れには乗っかっておきたいところ。まずはこの都市対抗で活躍を見せ、野球界にも“長友フィーバー”を……。JEF東日本の“小さな巨人”に注目だ。
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