後半戦の救世主に...
昨オフの球界に大きな衝撃を与えた、高橋由伸の現役引退&監督就任。開幕前にはチームがグラウンド外の話題で世間を騒がせてしまうなど、前途多難な船出となった就任1年目であるが、40勝41敗3分の2位で前半戦を折り返した。
開幕当初こそ好調な滑り出しを見せたものの、今年も貧打に苦しむシーンが目立つ。
中軸の坂本勇人がリーグ4位の打率.322をマークし、村田修一が.305とここ数年と比べると幾分かはマシなようにも思えるが、チーム打率はリーグ5位の.246。得点283はリーグワーストとやはり打線が苦しい。
後半戦、チームの救世主となりそうな選手はいないものか……。そんな今こそ、もう一度見たい打者がファームにいる。そう、高卒2年目のハタチ・岡本和真である。
ファームでは圧巻の成績!
今季はキャンプからオープン戦まで一軍に帯同。村田との三塁手争いに挑んだものの、打撃不振によって開幕一軍を逃した。
しかし、その後の岡本はファームで自身の打撃を取り戻している。ここまで65試合の出場で打率.277、本塁打も12本を記録。打点57はイースタンリーグでトップの数字だ。
ファームでの活躍が認められ、5月27日に一軍昇格を果たしたが、その時は3試合・10打席で1安打と結果を残すことが出来ず。一週間で二軍に逆戻りとなっている。
そして迎えた7月14日の「フレッシュオールスターゲーム」。岡本はイースタン選抜の4番を努めると、同級生のソフトバンク・松本裕樹から3ランを放つなど2安打3打点の大暴れ。球団53年ぶりとなるMVPを獲得した。
球界を背負う大砲へ
チームが大混戦の真っ只中にいるだけに、結果が出ない選手をガマンして使うというのは現実的ではないかもしれない。それでも、目先の試合を犠牲にしてでも育てたいと思わせるようなスケールが、男にはある。
今やチームの顔となった坂本勇人は、高卒2年目で144試合に出場。打率.257、8本塁打、43打点という成績だったが、ここでの経験が翌年のブレイクに繋がった。3年目のシーズンも141試合に出場し、打率.306をマーク。本塁打も18本放った。
チームはもちろんのこと、球界を背負って立つ可能性もある右の大砲。このあとの起用法は分からないが、巨人の起爆剤となる可能性を秘めている選手であることは間違いない。