オリックス時代の2011年に最多安打
坂口智隆が、新天地のヤクルトでかつての輝きを取り戻している。
坂口は昨年まで13年間プレーしたオリックス(近鉄時代含む)で、2008年にレギュラーに定着すると、2011年に175安打を放ち最多安打のタイトルを獲得したことのある実力者。守備でも08年から11年まで4年連続でゴールデングラブ賞を獲得するなど、オリックスの顔と呼べる選手だった。
【坂口のレギュラー定着後の成績】
09年 137試 率.317 本5 点50
10年 138試 率.308 本5 点50
11年 144試 率.297 本3 点45
12年 40試 率.228 本0 点8
13年 97試 率.230 本3 点24
14年 122試 率.235 本2 点40
15年 36試 率.262 本1 点5
ヤクルトで復活
しかし12年以降は度重なる怪我に加え、打撃不振も重なり、ベンチを温めることが多くなっていた。そして迎えた15年オフの契約交渉で、オリックスから限度額を超えるダウン提示を受け、自らの意思で退団を申し入れた。その後、自由契約となった坂口は、ヤクルトに入団することになった。
ヤクルトは、坂口を見事に再生させたといってもいいだろう。野村克也氏の監督時代には、「野村再生工場」と呼ばれ、トレードや自由契約で入団してきた選手たちを再生させてきた。その代表格と言えば、95年オフにダイエー(現ソフトバンク)からトレードで加入した田畑一也、96年オフに広島を自由契約となった小早川毅彦。野村監督が退任後も、鈴木健、木田優夫など、多くの選手が復活してきた。
今季から加入した坂口も、昨年の出場機会の減少で試合勘が心配されたが、持ち前の野球センスで再び、レギュラーとして活躍している。今季はここまで90試合に出場して、打率は.292をマーク。5月12日の広島戦ではプロ14年目で初のサヨナラ打を記録し、6月8日の楽天戦では、プロ野球283人目の1000本安打を達成するなど、充実したシーズンを送っている。
シーズンも終盤に差し掛かり、疲れが見えてくる頃。坂口はシーズンを通して、安定した成績を残すことができるのか注目だ。