山田が登録抹消
ヤクルトの主力野手に故障者が続出している。
2年連続トリプルスリーの達成に期待がかかる山田哲人が、9日の中日戦で背中に痛み訴え、2回の守備から途中交代。そして10日に登録抹消が発表された。ヤクルトは現在、川端慎吾、畠山和洋、雄平と主軸に故障者が相次いでおり、ここに山田が加わる。その存在の大きさは今季の成績が物語っており、チームにとっては痛すぎる結果となった。
主な離脱者と現状
【三塁手】<成績:87試 率.307 本1 点25>
7月18日のDeNA戦で、1回裏の打席中に右足内側に打球を当てる。2回表の守備には就くも、3回表で途中交代。8月の復帰は厳しいといわれており、今季中の復帰が叶わない可能性も。
⇒西浦直亨
<成績:37試 率.255 本3 点15>
川端が離脱後、三塁手として出場している。今季の打率は.255だが、8月は7試合に出場して、3試合でマルチ安打を記録。9日の中日戦でも、2安打を放つ活躍を見せた。
【一塁手】
・畠山和洋
<成績:45試 率.245 本1 点18>
左手を痛め、6月上旬に離脱。8月の復帰を目指しているとのことだったが、今年中の復帰は難しいとの報道も。
⇒今浪隆博
<成績:79試 率.288 本1 点27>
畠山の離脱後、一塁は西田明央と併用で起用されていたが、8月に入ってからは西田が捕手で先発出場が増え、今浪の先発機会が増加した。現在3試合連続マルチ安打中と、存在感を見せる。
【右翼手】
・雄平
<成績:94試 率.284 本7 点50>
7月26日の阪神戦で、左脇腹の張りを訴え途中交代。翌日に一軍登録を抹消。
⇒比屋根渉
<成績:57試 率.244 本0 点4>
雄平が登録抹消後、比屋根が昇格した。ルーキー・山崎晃太朗との併用となっているが、比屋根は途中出場した7日の阪神戦で4安打の大活躍。延長10回に、サヨナラ安打を放った。
打線がウリのチームで、中軸に離脱者が相次ぐ厳しい状況だ。しかし、故障者に代わって起用されている西浦直亨、今浪隆博、比屋根渉といった選手は存在感を見せている。さらに、昨季は15試合の出場にとどまったバレンティンや、今季から加入し結果を残している坂口智隆など、昨季にはなかったプラスアルファもあるとはいえ、打線の厚みに物足りなさが残るのは否めない。
そして山田だ。9日の中日戦で山田が途中交代した後、谷内亮太が二塁で好守備を見せたが、バットでは3打数無安打に終わった。今季はここまで打率.419(31-13)、1本塁打、5打点という成績を残しているとはいえ、打撃面で多くを期待するのは酷というもの。そもそも、打撃面における山田の代役など存在するはずがない。代わりに起用される選手にはその選手なりの貢献の仕方があるはずだ。
今こそ投手陣の奮起に期待!
リーグ2位の460得点をマークする打線の援護が、以前よりも少なくなることが予想される今、チーム防御率リーグワーストの5.06を記録する投手陣の奮起が求められる。
月間の防御率を見ると、5月を除いて全て5点台と苦しい台所事情だ。ただ、先発陣を見ると、石川雅規、小川泰弘、館山昌平、由規、山中浩史と駒は揃いつつある。
9日の中日戦に先発した石川は、勝ち星こそつかなかったものの、中日打線を7回3安打1失点と好投。山中浩史は、6日の阪神戦で9回を1失点に抑え完投勝利を挙げた。さらに、由規は4日の広島戦でチーム打率、得点ともにリーグトップを誇る広島打線を相手に6回を無失点に抑え、本拠地のマウンドでは1797日ぶりに勝利投手となった。エースの小川と、右肘の手術から復帰した館山の状態はいまひとつだが、ある程度は試合を作れるようになってきている。
一方リリーフ陣は、守護神を務めていたオンドルセクが退団したものの、8回のルーキ、9回秋吉亮と勝ちパターンは確立された。さらにルーキの前を投げる投手が定まってくれば勝ち試合を拾える可能性も高まってくる。
前半戦は打線に助けられる部分が多かったが、主力の野手に故障者が続出している後半戦は、投手陣の奮起にも期待したい。