筒香が猛追!盛り上がりを見せるセのバットマンレース
三冠どころか六冠も……!?
打撃タイトルすべての部門でトップを快走するヤクルト・山田哲人に大きな注目が集まっていたが、ここに来てそれに待ったをかける人物が現れた。DeNAの主砲・筒香嘉智である。
19日・20日のヤクルト戦、山田哲人の目の前で2試合連続の「マルチ本塁打」を記録するなど、7月だけで1試合2本塁打を4度も記録。7月1日時点では山田26本、筒香16本で10本差がついていたが、ここに来て29本-26本とその差は3本にまで縮まってきた。
山田も打率.346、29本塁打、73打点でリーグ三冠王は変わらず。その他にも安打(115本)、盗塁(22個)、出塁率(.460)でもリーグトップと、タイトル六冠の独占状態に代わりはないのだが、後半戦は8打数2安打の本塁打なしとその勢いにやや陰りが見られる。
猛追する筒香は、山田の進撃を阻止することができるのか……。このあとのセ・リーグにおける大きな見どころとなる。
「来年の春」まで見据えた争いへ...
この2人の争いは、“タイトル”という部分だけには留まらない。来春に控えたワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)を見据えたうえでも、楽しみな戦いとなる。
第1回、第2回大会と連覇を果たした日本であるが、第3回大会は準決勝でプエルトリコに敗退。3連覇を逃した。もう一度、世界の頂点へ……。第4回大会にかける思いは強い。
そんな中、山田と筒香には“ジャパンの4番”を巡る争いにも期待がかかる。
小久保ジャパンが発足した2013年からの4番を振り返ると、初陣となった13年11月の台湾遠征から15年3月に行われた欧州代表との強化試合までの12試合は中田翔(日本ハム)が4番で固定。昨年のプレミア12では中村剛也(西武)が5試合を務めたが、その中で筒香も3試合で4番を務めている。
4番の経験値という点では中田翔や中村剛也に分があるものの、今季のパフォーマンスを見ると“4番争い”という点では遅れを取っていると言わざるをえないだろう。
そこで本命に挙がるのが筒香。球界屈指の左の大砲には、すでに侍ジャパンで4番に座った経験がある。今年3月に行われたチャイニーズ・タイペイとの強化試合では、「4番・左翼」で出場して2安打3打点と活躍。2ランも放った。
対抗となる山田はというと、ヤクルトでは1番や3番での起用が多かったため、国際試合で4番を務めた経験はない。それでも、今季途中からチームでも4番に座るようになり、オールスターの第1戦では、セ・リーグの4番も務めた。
何を隠そう昨年のセ・リーグ本塁打王であり、今年もここまで12球団最多の本塁打を放っている。成績的には申し分ない。
タイトルだけでなく、来年の春まで見据えたバトルへ――。山田哲人と筒香嘉智、セ界が誇る2人のスラッガーから目が離せない。
【山田vs筒香】
▼ 山田哲人(ヤクルト)
・91試合出場
打率.346(1位) 本塁打29(1位) 打点73(1位)
安打115(1位) 盗塁22(1位) 出塁率.460(1位)
▼ 筒香嘉智(DeNA)
・81試合出場
打率.319(4位) 本塁打26(2位) 打点63(3位)
安打92(15位) 盗塁0(-位) 出塁率.419(2位)