8月は月間4勝&3完投!
2016年のセ・リーグも8月の戦いを終え、広島が首位を独走。マジックを「10」にまで減らし、いよいよ25年ぶりの優勝へ向けて秒読み段階に入ってきた。
一方、熾烈を極めるのがクライマックスシリーズ(以下CS)の出場権をかけた争いだ。2位の巨人と3位・DeNAの差は5.5ゲームと離れているものの、3位・DeNAと4位・ヤクルトの差は1.5ゲーム差。5位の阪神までも3.5差となっており、最後まで目が離せない展開となっている。
最高のタイミングで復調したエース
立役者は右腕の小川泰弘。8月は5試合の登板で4勝負けなし、防御率2.08という好成績を残し、ラスト3試合は自身初となる3試合連続完投。8月31日の巨人戦は完封勝ちで8月を締めくくった。
5月から6月にかけてはなかなか白星がつかない時期が続いたものの、これで今シーズンは8勝5敗。キャリア4年目にして3度目の2ケタ勝利も射程に入ってきている。
夏といえば、小川の季節...
思えば、これからが小川の季節。夏場以降に強さを発揮してきたのが、小川泰弘という男だった。以下は過去3年間の「シーズン成績」と「7月以降の成績」を比べたもの。
<2013年>
通算:26試 16勝4敗 防2.93
7月~:13試 8勝2敗 防3.03
<2014年>
通算:17試 9勝6敗 防3.66
7月~:13試 6勝5敗 防3.93
<2015年>
通算:27試 11勝8敗 防3.11
7月~:13試 7勝4敗 防3.24
このように、プロ3年間で通算36勝を挙げたうち、実に21勝が7月以降に挙げたもの。3年続けて勝ち越しを決めているのだ。ちなみに今季もここまで4勝2敗と2つの勝ち越しを作っている。
チームとしても、個人としても“勝負の9月”
一時は山田哲人、川端慎吾、畠山和洋という打の柱を全て欠き、守護神を務めていたローガン・オンドルセクが退団帰国となるなど、まさに災難続きだったヤクルト。それでも今ある戦力を駆使して危機を乗り越え、上位進出の可能性も見えてきている。
このように戦いの形が見え始めた中でのエースの復調は、心強いことこの上ない。逆襲の準備は整いつつあると言っていいだろう。
泣いても笑っても残すところ19試合――。昨季王者はBクラスでは終われない。燕の若きエースはチームを背負って勝負の9月に立ち向かう。