筒香が大きく前進
DeNAの主砲・筒香嘉智が、7年目にして初めてとなる打撃タイトルに大きく近づいた。
23日の巨人戦、7回の第4打席で試合を決定づける満塁弾を放つと、9回にはトドメの42号ソロ。3安打&5打点の大暴れでCSでも戦う相手に嫌な印象を植え付けた。
これで本塁打ランキングは2位の山田哲人(ヤクルト)と4本差。打点も2位の山田に7差をつける107と、初のタイトル獲得へ向けてライバルとのリードを広げている。
“二冠王”は意外と多い
筒香は打率でも.322と高い数字を残しており、これはリーグ3位。トップの坂本が.344と抜けているため逆転はかなり厳しいものの、来年以降の“三冠王”へ向けても期待が膨らむシーズンとなった。
これまでに7人しか達成していない三冠王。平成以降では2004年の松中信彦(ダイエー/現ソフトバンク)しか達成者は出ておらず、セ・リーグでは1986年にランディ・バース(阪神)が2度目の達成をして以降、30年も出ていない。
しかし、実は「惜しかった」事象というのは少なくない。そう、“二冠王”は意外と少なくないのだ。
【近年の二冠王】
<2015年>
パ:中村剛也(西武)
→ 打率.278(11位) 本塁打37(1位) 打点124(1位)
<2013年>
セ:トニ・ブランコ(DeNA)
→ 打率.333(1位) 本塁打41(2位) 打点136(1位)
<2012年>
セ:阿部慎之助(巨人)
→ 打率.340(1位) 本塁打27(2位) 打点104(1位)
<2011年>
パ:中村剛也(西武)
→ 打率.269(13位) 本塁打48(1位) 打点116(1位)
<2010年>
セ:アレックス・ラミレス(巨人)
→ 打率.304(11位) 本塁打49(1位) 打点129(1位)
<2009年>
セ:トニ・ブランコ(中日)
→ 打率.275(14位) 本塁打39(1位) 打点110(1位)
パ:中村剛也(西武)
→ 打率.285(14位) 本塁打48(1位) 打点122(1位)
<2007年>
パ:山崎武司(楽天)
→ 打率.267(27位) 本塁打43(1位) 打点108(1位)
<2006年>
セ:タイロン・ウッズ(中日)
→ 打率.3097(7位) 本塁打47(1位) 打点144(1位)
パ:小笠原道大(日本ハム)
→ 打率.313(4位) 本塁打32(1位) 打点100(1位T)
最強打者への道、来季以降に期待
主将としてチームを初めてのクライマックスシリーズ進出に導き、自身としても初めての打撃タイトルを獲得。まさに充実したシーズンを送り、筒香はまた一回り大きくなった。
しかし、見ている方のハードルというのは活躍すればするほど上がってくる。「筒香なら、もっと...」そう思わせるような成長ぶりを見せつけてここまで来た。
来年は開幕前にWBCも控えており、何事もなければ筒香が日の丸を背負って戦うことは確実。今年以上にハードなシーズンとなるに違いない。
その中でどれだけ進化した姿を見せることができるか。来季こそが“勝負の一年”だと言えるかもしれない。
日本の王座奪還、DeNAの優勝、そして個人としても三冠王...。ハマの至宝にして日本の主砲が、周囲のリクエストにどれだけ応えられるのか。今からたのしみにしたい。
▼ 筒香嘉智
生年月日:1991年11月26日(25歳)
身長/体重:185センチ/97キロ
投打:右投左打
経歴:横浜高 - 横浜・DeNA(2009年D1)
[今季成績] 130試 率.322(457-147) 本42 点107
[通算成績] 556試 率.286(1952-558) 本108 点348