さよならの代わりに...
こぼれ落ちる涙を止めることなどできなかった。
ホセ・フェルナンデスの死去から1日、マーリンズが本拠地にメッツを迎えた一戦。試合前にはお別れのセレモニーも行われ、球場中が悲しみに包まれた中での試合となった。
なんとも言えない雰囲気に包まれた場内。空気を変えたのは、マーリンズの元気印の一振りだ。
初回、先頭で打席に入ったのはディー・ゴードン。2ボールからの3球目、メッツの43歳右腕バートロ・コローンの速球を振り抜くと、打球はライトスタンドへと消えた。劇的すぎる先頭打者本塁打は、これが今シーズンの第1号。歓声と拍手の中でダイヤモンドを一周すると、男は涙をこらえることができなかった。
胸を叩き、空に向かって手を挙げる。亡き友に捧げる一発に、ベンチで出迎えたチームメイトも同じように泣いていた。
悲しみを乗り越え、その先へ――。マーリンズが再出発の一歩を踏み出した。
▼ ディー・ゴードン、涙の先頭打者本塁打
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▼ 試合前に行われた追悼セレモニー
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