投打に戦力充実も...
最大で11.5あったゲーム差をひっくり返し、大逆転優勝を飾った日本ハム。奇跡の逆転劇は終盤のプロ野球を大いに盛り上げた。
何と言っても投打に渡る活躍でチームを支えた大谷翔平を始め、野手では45試合連続出塁を記録した切り込み隊長の西川遥輝に、110打点を挙げる4番の中田翔、さらにはリーグトップの39本塁打を記録するレアード。投手も自身初の2ケタ勝利をマークした有原航平と高梨裕稔に、初の最優秀中継ぎのタイトルを確定している宮西尚生などなど、安定感が光った。
充実の戦力で圧倒的な力を見せた日本ハムだが、そんなチームにも不安要素はある。それが“抑え”だろう。
痛すぎるマーティンの離脱
春先は昨季39セーブを記録した増井浩俊が守護神を務めていたが、開幕から失敗が相次ぎ、シーズン途中に先発へ転向。その増井に代わって抑えに回ったのが、新助っ人のマーティンだった。
6月途中から抑えに回ると、安定したはたらきぶりでそのまま定着。21セーブをマークした。6月10日の阪神戦で失点したのを最後に、21試合連続無失点を継続中。なんと抑えに転向してからは、一度も失点を許していないというから驚きである。
ところが今月6日、チームに激震が走った。4日のオリックス戦後に左足の痛みを訴えたマーティンが、戦線を離脱したのだ。
以降は左腕の吉川光夫が抑えに回るも、転向初戦となった7日のロッテ戦でいきなり失点を喫するなど不安な面を露呈。結局のところ現在は谷元圭介やバース、宮西尚生といったところが、その時の状況や打順の巡りなどを見て9回に登場する形となっている。
最後の“栗山マジック”に期待
幸い、彼らが抑えに回ってもメンツは揃うのが日本ハムのブルペン陣。救援防御率はリーグトップの2.70と安定している。
左腕の石井裕也を筆頭に、右では鍵谷陽平やルーキーの井口和朋、白村明弘も再昇格してから好投を続けている。それだけに、最後を締める代役の抑えは早めに固定したいところだろう。
クライマックスシリーズのファイナルステージは10月12日に開幕。それまでにマーティンが万全の状態で復帰できれば最善の策なのだろうが、このまま流動的な形でポストシーズンを戦うのか、はたまた代役を立てるのか...。
チームを球史に残るミラクル逆転劇へと導いた“栗山マジック”に期待がかかる。