日ハム・増井が10勝10S達成
日本ハムの増井浩俊が9月30日のロッテ戦で今季10勝目を挙げ、シーズン10勝10セーブを達成した。
守護神転向2年目の昨季、自己最多の39セーブを挙げ、11月に行われた「WBSCプレミア12」では侍ジャパンに選出された。球界を代表する守護神に成長した。昨季以上の活躍が期待された今季だが、開幕から抑え失敗が続き、3・4月が終了した時点で、1勝2敗、7セーブ、防御率7.71と精彩を欠いた。
6月8日の広島戦で10セーブに到達したが、5月以降も状態は上がらなかった。増井は、2失点を喫した6月19日の中日戦の翌日に一軍登録を抹消。
その後、開幕からセットアッパーとして活躍したマーティンが抑えに座り、増井は先発に転向。結果的にこの転向がハマった。8月4日のロッテ戦で、新人時代の10年以来の先発登板を果たし、5回無失点に抑えた。
先発3試合目の8月18日のオリックス戦で、先発転向後初勝利を挙げると、25日のロッテ戦でプロ初完投勝利。9月1日の楽天戦では、プロ初完封勝利を記録した。9月は5勝0敗、防御率1.10と抜群の安定感を発揮した。
直近の10勝10Sは20世紀
最近10年間で、10勝10セーブを達成した投手を見ると、13年にサファテ(当時西武)が9勝1敗10セーブをマークしているが誰もいない。直近では2000年に11勝14セーブを記録した小林雅英(当時ロッテ)となる。
小林雅はこの年先発でスタートしたが、結果を残せず中継ぎに配置転換。中継ぎで結果を残すと、シーズン途中に不調だったウォーレンに代わり抑えを任された。この年は先発で始まり、中継ぎ、抑えを経験し、2ケタ勝利、2ケタセーブを達成した。
増井の前に達成した小林雅が16年前ということを考えると、シーズン途中に抑えから先発、先発から抑えに転向し、配置転換で結果を残し且つ、2ケタセーブ・勝利は難しいことが分かる。特に増井は勝利に直結する守護神で失敗が続き、精神的にも厳しい状況だったはずだ。それを踏まえると、シーズン途中に先発へ配置転換して結果を残したというのは、かなり立派だったといえるだろう。