肩たたきの秋
クライマックスの秋――。10月に入り、プロ野球もレギュラーシーズンがまもなく終了。いよいよポストシーズンの戦いがはじまる。
そんな中、秋といえばもうひとつ、“寂しい話題”も聞こえるようになってきた。いわゆる「戦力外通告」の季節である。
10月1日に第1次期間がスタートし、4日までで83名が来季の契約を結ばない旨を伝えられた。
先日、“ハマの番長”こと三浦大輔が現役を引退。この三浦をもって、経歴に「大洋」の文字を刻んだ選手がいなくなるということが話題になった。
「戦力外通告」がはじまった今、それと同様に危機的状況を迎えているものがある。「元近鉄」と「元ブルーウェーブ」の絶滅だ。
“いてまえ魂”の継承者
2004年の球団合併により消滅した大阪近鉄バファローズと、近鉄を吸収合併することで名前が変わってしまったオリックス・ブルーウェーブ。あれから12年が経ち、この2チームの在籍歴を持つ選手が徐々に減ってきている。
まずは近鉄。現役として球界に残っている「近鉄戦士」は以下の通りだ。
【近鉄戦士の生き残り】
牧田明久(楽天/34歳) ☆在籍2001~2004年
香月良太(巨人/34歳) ☆在籍2004年 → 戦力外
近藤一樹(ヤクルト/33歳) ☆在籍2002~2004年
坂口智隆(ヤクルト/32歳) ☆在籍2003~2004年
坂 克彦(阪神/31歳) ☆在籍2004年 → 戦力外
―――
岩隈久志(マリナーズ/35歳) ☆在籍2000年~2004年
ご覧のように、アメリカで戦う岩隈を含めると6名が残っていたが、そのうち2名にはこの秋に戦力外が言い渡された。香月も坂も現役続行を希望しているが、果たして生き残ることができるか。
絶滅危惧!? 青波戦士の厳しい状況
一方、オリックス・ブルーウェーブの時代を知る「青波戦士」はどうか...。
結論から言うと、「近鉄戦士」よりも厳しい状況となっている。
【青波戦士の生き残り】
後藤光尊(楽天/38歳) ☆在籍2002~2004年 → 戦力外
―――
イチロー(マーリンズ/42歳) ☆在籍1992~2000年
なんと、ブルーウェーブを知る選手というのはイチローを含めても2名だけ。唯一国内で生き残っていた後藤光尊にも非情な宣告がなされ、いよいよ危機的状況を迎えている。
あの悲しみから12年...。時の流れとは逆らうことができないものだと分かっていても、そういった事実を目の当たりにするとやはり寂しくなる。
これから現役続行をめざす選手たちも含め、彼らの奮闘に期待したい。