セ・リーグは「予告先発なし」
いよいよ本日、クライマックス・シリーズ(CS)が開幕。日本一を目指した戦いがスタートする。
パ・リーグの方はレギュラーシーズン同様に予告先発が発表され、ソフトバンクは千賀滉大、ロッテは涌井秀章が初戦のマウンドを託された。
一方のセ・リーグはというと、巨人もDeNAも誰が先発をするのか現時点では分かっていない。というのも、このCSでは「予告先発」という制度を導入していないのだ。
「予告なし」だからできる駆け引き
今ではセ・パ両リーグで当たり前となった制度であるが、セ・リーグでも全試合で予告先発が発表されるようになったのは2012年のこと。まだまだ歴史は浅い。
「予告なし」となると、駆け引きの要素がひとつ増える。自信のローテで臨んでくるのか、はたまた裏を書いてくるのか...。指揮官の決断がより重要となってくる。
過去にはこんなこともあった。2007年の第2ステージ(現在のファイナルステージ)第1戦、巨人-中日でのこと。第1ステージを連勝で勝ち上がった中日が、いきなり巨人の出鼻をくじく。
大方の予想では、山井大介か朝倉健太が出て来るものと思われていた中日の先発。巨人ベンチはそれを見越して左打者を7人並べるオーダーを組んだ。
ところが、フタを開けてみたらまさかの先発・小笠原孝。左腕の小笠原は5回を1失点に抑える力投できっちりと先発の役割を果たすと、打線もT.ウッズの本塁打などで得点を挙げて5-2で勝利。これで勢いに乗った中日は、一気の3連勝で日本シリーズ進出を決めたのだった。
策に溺れることも...
一方、策に溺れたケースもある。2013年の阪神がその1つだろう。
ファーストステージで広島と対戦した阪神は、大事な初戦に高卒新人の藤浪晋太郎を抜擢した。この年の阪神といえば、メッセンジャーが最多の12勝で、能見篤史が11勝、藤浪晋太郎が10勝をマークしており、起用法に関しては注目が集まっていた。
その中で対広島の成績が2勝0敗の防御率1.29と安定していた藤浪を持ってきたわけだが、独特の緊張感もあって本来の投球が見せられず。結局5回7安打4失点で降板となった。
初戦を落としたチームは、第2戦でメッセンジャーが6回途中2失点の力投も虚しく連敗。敗退後には、能見を起用しなかった点について批判が殺到した。
今年は巨人のエース・菅野智之が直前に来ての体調不良で登板回避との噂も。初戦はマイコラスの代役が濃厚と伝えられているが、どうなるかは試合の直前まで分からない。
就任1年目の高橋由伸監督が見せる采配に注目だ。